今回は「羨ましい」を “I envy” を使わず適切に表現する英語フレーズを5つ紹介します。英語ネイティブは「羨ましい」という意味で会話中に “envy” を使いません。あなたも英語で「羨ましい」を適切に表現できるようになりましょう!
英語で「羨ましい」は不自然?謙遜する日本人はよく使う傾向
前置きとして、英語では「羨ましい」とダイレクトに伝えること自体が少し不自然だったりします。
なぜ「羨ましい」や「いいなぁ~」を英語に直訳すると不自然なのでしょうか? 英語で誰かが「羨ましい」と言っているのをあまり聞かない理由は、日本と海外での文化の違いも関係しています。
日本人が 「羨ましい」 を使う2つの理由
まず1つに、日本人は「自分と相手を比較する」傾向が強いということです。2つめに、日本人は内心では(そうなんだ)くらいに思っていても、相づちのように相手を立てて「羨ましい」と言うこともあります。
しかし海外では自分を卑下したり、謙遜しすぎたりする文化はありません。ですから「羨ましい」とは言わず “awesome” や “great” といった単語で「相手を対等に見つつ讃(たた)える」のが主流なのです。
ということで、グローバル言語である「英語」で円滑なコミュニケーションを取るには、文化の違いを知り、「羨ましいの英訳」ではなく「場面に最適な英語フレーズ」を身に付けておくようにしましょう。
英語で 「羨ましい」 を表現すると?より自然な英会話表現5つ
ここでは5つの表現を紹介します。最も大切なことは、ポジティブな方向に会話を掘り下げていくことです。英語例文では、“How” “Where“ “When” などを使って具体的に質問していく部分に注目しましょう。
1. (That’s) awesome/great/cool.
ここで紹介する “Awesome” などは「羨ましい」の感覚でよく使います。他にも 「素晴らしい」 の英語表現30連発!英語例文・フレーズ解説付き の記事が参考になりますので、ぜひ合わせてお読みください。
- That’s awesome! Tell me the secret, how did you do?
- えー羨ましい! どうやったの? 教えてよ。
- Two months holiday? That’s great! What are you going to do?
- 2ヶ月の休暇? そりゃ羨ましい! 何をするつもりなの?
- Are you going to Hawaii? Cool! How long will you stay there?
- ハワイに行くの? 羨ましい! どれくらい滞在するの?
2. I wish I …
日本語の「いいなぁ~羨ましい」に近いニュアンスで伝えやすい “I wish I …” のフレーズは、上で紹介した “That’s awesome.” などのフレーズとも組み合わせやすいです。… の部分は仮定法を使っています。
- That’s cool, I wish I were there too.
- いいなぁ~羨ましい、僕もそこにいたかったよ。
(僕もそこにいたなら良かったのに) - It’s so beautiful, I wish I had your hair.
- 本当に綺麗だわ、あなたの髪がとても羨ましい。
(私もあなたのような髪だったら良かったのに) - I wish I had supportive parents like yours.
- そんな協力的な両親がいるって羨ましいな。
(僕の両親も君の両親みたいなら良かったのに)
3. You’re (so) lucky.
この “You’re lucky.” も、英語で「羨ましい」を表現するのによく使われます。羨ましさの度合いに合わせて “You’re so lucky!” と強調したり “Lucky you!” と砕けた言い方にすることもできます。ただし「羨ましい結果」が実力や努力によるものであれば、やはり “Awesome” や “Great” の方が適切となります。
- You’re so lucky! Congratulations!
- 羨ましい! おめでとう!
- You’re very lucky! You know? Only a few people can go there!
- めっちゃ羨ましい! あそこはほんの僅かな人しか行けないんだよ?
- You’re too lucky! All the girls will get jealous and hate you!
- 羨ましすぎる! きっと女子全員が嫉妬するわよ!
4. I hate you.
実は “I hate you.” のフレーズだけでも間接的に「羨ましさ」が表現されます。英語だけでなく、日本語もこういう使い方ができますね。ただし、スラング混じりの若者英語に限ります。大人が使う英語表現としては不適切です。自分で使うならポジティブに明るく、親しい友人にだけ使うようにしましょう。
- What the heck, she is so beautiful! I hate you!
- どういうことだよ、すごい美人じゃん! お前なんか嫌いだー(羨ましいぞー)!
5. It’s (so) unfair.
直訳すると「不公平だ」となりますが、こちらのフレーズでも間接的に「羨ましい」の意味を表現できます。羨ましそうに言うことはもちろんですが、英語でのポイントは「相手を讃えつつ」話すことです。
- It’s unfair, you got the seat next to her again!
- 羨ましいな~、またお前が彼女の隣りの席かよ!
- It’s so unfair that you have such perfect skin without makeup!
- 化粧をしなくてもそんな完璧なお肌をしてるなんて羨ましすぎる!
いかがでしょうか。英語で「羨ましい」をネイティブのように自然に表現するには、色々な表現があるということをお分かりいただけたと思います。
envy や jealous を使うのは間違い?英語で「羨ましい」を直訳は危険
英会話でも “I envy you.” や “I’m jealous.” と「羨ましい」を直訳する場面がないわけではありません。ただ、使うことがほとんどないうえ「羨ましさ」をダイレクトに表現するので注意が必要です。
“I envy you.” は使わない!
英語で「羨ましい」の意味を持つ単語の envy ですが、ネイティブはほぼ使いません。物やステータスに対する欲求を意味する単語のため、嫉妬している感情を持っているものとして伝わります。
率直に “I envy you.” と言うのは親しい友達に対して「あんたはいいよね」とか「あんたが羨ましいよ」とイラっとしながら言う感じでしょうか。受け答えがそこで終わると、さらにそう聞こえます。
- Ahhh, I envy you.
- はぁ~、あんたはいいよね。
(私とは違うよね、くやしいけど) - Wow, I really envy you.
- うわ~、本当あんたが羨ましいよ。
(何だよ、そんなのズルいじゃないか)
声のトーンや表情にもよりますが「羨ましさ」を通り越して「悔しさ」「情けなさ」「妬ましさ」なども感じられ、卑屈でひがみっぽい印象を与えかねません。あるいは、皮肉や嫌味にも受け取れます。
“I envy you.” は英語のネイティブが「羨ましい」という意味では使わないフレーズですから、誤解を避けるためにも使わない方が良いでしょう。
“I’m (so) jealous.” も使いすぎ注意
こちらはネイティブも時々使う表現ですが、日本語の「羨ましい」と同じ感覚で気軽に “I’m jealous.” と言うと、大げさすぎたり受け身すぎたりして妙な違和感があります。例えば「水族館に行ってきたよ」「いいなぁ~羨ましい」というやり取りに “I’m jealous.” は大げさです。
それに、会話中に「いいなぁ~羨ましい」と伝えるために “I’m (so) jealous!” とだけ言うのも不自然です。英語で自然に話すには後ろのフレーズを続け、次の会話へと繋げることが大切です。
- I’m jealous, how did you get it already?
- いいなぁ~羨ましい、どうしてもう持ってるの?
- I’m so jealous, I didn’t make so many friends yet.
- いいなぁ~羨ましい、私はまだそんなに友達できてないな。
また「羨ましい感情」を別の人に “I’m jealous of [someone] …” と説明するときも、後ろのフレーズを続けるようにすると自然な英語になってくれます。
- I’m so jealous of people who can eat whatever they want.
- 私は何でも好きなものを食べられる人たちのことがとても羨ましいです。
- I was jealous of her because I had never been on a plane before.
- 僕はまだ飛行機に乗ったことがなかったので彼女のことを羨ましく思った。
羨ましいの英語表現まとめ 場面に適したフレーズを使おう
日本語の相づちのような「羨ましい」を英語で表現するには、“envy” や “jealous” の直訳は使わないようにしましょう(特に “envy” はダメ)。羨ましくても自分を卑下したり謙遜しすぎたりはせず、同じ立場から “Awesome/Great/Cool.” “You’re lucky.” と相手を讃えるフレーズを使うのがおすすめです。
あるいは “I wish I …” でポジティブに「もし自分もそうだったら嬉しい」と伝えるのも良いでしょう。他に “I hate you!” や “It’s (so) unfair!” など裏返しの英語表現で「羨ましい」を言い表すこともあります。ぜひ覚えてみてください。今回の記事も、皆さんの英会話上達のお役に立てたなら幸いです。