英語でも「どっちでもいい」と言ってしまう日本人は英語が上達しない

英語で「これとこれ、どっちがいい?」と聞かれたとき、日本人は「どっちでもいい」を意味するフレーズの “It’s up to you.”“Anything is fine.” で答えてしまう人がとても多いです。でも、こんなことではいつまで経っても英語が上達しません! その理由は2つありますが、とても勿体無いことをしていますよ!

「どっちでもいい」と英語で言うためのフレーズには、他にも “Either is good.”“Whichever is great.” といったバリエーションがあり、相手に決定権を完全に委ねてしまう “You decide.”“You choose.” なども良く使われますが、ここで肝心なのは、英語フレーズを覚えるだけでは英語は上達しないということです。

1.英語で考えて会話する癖が付かない

英語で「どっちがいい?」と聞かれたときの返事

本来、英会話の基本は、知っている英単語を組み合わせて「会話を組み立てる」ことにあります。つまり、『英語の質問』に『英語で返答』して会話を続けていくには、まず『英語で考える』必要があるのです。

「これとこれ、どっちがいい?」と聞かれた場合は、知っている英語フレーズで「どっちでもいい」と答えてしまうのではなく、英語で「自分はどっちがいいだろう?」「こっちがいいな、理由は…」などと考えながら思ったことを口に出してみる人の方が、確実に英語力がついていきます。

ところが、日本人は「便利なフレーズ」を知っていると、それを使って会話をしてしまいがち。英語で考えて文法や単語を間違えてしまうよりも安心なのです。もし(あ、自分のことかも…)と思われた方は、日本人の特徴である「英語を話せないシャイな性格」を克服する方法 という記事を、ぜひ参考にしてください。

2.海外では決して良い印象を与えない

「どっちでもいい」や「どれでもいい」は禁句!

次に、海外では「どっちでもいい」という返事の仕方は、決して良い印象を与えないということがあります。日本では、相手の意見を尊重し、自分の意見を押し通さないことを良しとする趣きがありますが、海外では、むしろ逆なのです。日本人は自分の意見を持っていないと思われ、信用を得られないようになるでしょう。

英語を話せるようになるための1番の近道は、英語を話せる人に気に入られて、もっと英語を話すことです。ですから、もし英語を上達させたいと考えているなら、「どっちでもいい」という返事はむしろ禁句です。

それに、良い人に思われようとして「どっちでもいい」と言っているのに、逆効果なら意味ないですよね? このことについては、以前に 語学力を上げるには、まずコミュニケーション能力を上げる必要がある という話をしたことがあります。日本のコミュニケーション方式で英語を話すのは、良くないですよ!

英語では、どっちがいいか自分の意見を持つように努力し、それを伝えるようにしてください。また、本当に「どっちでもいい」という場合は、なぜどっちでもいいと思うのかについての理由を添えると良いでしょう。意見を英語で伝えるための方法はこちらの記事 で紹介していますので、ぜひ合わせて参考にしてください。

英語で考えて英語で伝えるための方法

英語で考えたことをそのまま言葉にしよう

もし英語で「これとこれ、どっちがいい?」と聞かれたら、まず “This and this, which one do I prefer?” と自分にも英語で自問し直してみると良いでしょう。もちろん、シンプルに like を使っても構いません。

“This and this, which one do I like?”
「これとこれ、自分はどっちが好き?」

他にも、次のようなことを思い浮かんだら、その考えをどんどん英語で口に出して会話にしてみてください。文法の参考書で習うように、1回で質問に答える必要はありません。Which ではじまる疑問文への答え方は、A か B を選ぶか「どっちでもいい」の3通りではなく、実際には色々な会話パターンがあるのです。

“What’s the difference?”
「違いは何?」
“I don’t like the dotted pattern, and it looks old fashioned.”
「私は水玉模様は好きじゃないわ、それに古臭く見えちゃうし。」
“This one seems better. The other one is too big and…”
「こっちの方が良さそう。もう1つのは大きすぎるし、それに…」
“I prefer this, cuz’ I like it when it’s easy to use.”
「こっちがいい、私は使いやすいやつが好きだから。」
“Why do you need them?”
「そもそも何でそれ要るの?」

これらは、すべて “This and this, which one do you prefer?” に対する回答として成り立つ英語です。何でも「どっちでもいい」と答えてしまうと、いかに「英語で考えて英語で話すチャンス」を失ってしまうかがよく分かりますね! シチュエーションによって、知っている英語を組み立てる練習を繰り返すことが大事です。

今回のまとめ

今回は、英語で「どっちがいい?」と聞かれたときに「どっちでもいい」と答えることについて、英会話ではあまり良い印象を与えないうえ、英語力を身に付けるためには良くないという話をご紹介しました。

この内容は「どっちがいい?」と聞かれたときだけではなく、もちろん「どれがいい?」と聞かれたときにも当てはまります。日本人はよく「どれでもいい」と返事をしてしまうことが多いのですが、できる限り英語で自分の考えをまとめ、意見を言うように癖をつけていきましょう。

英語で考えて英語で会話を組み立て、自発的にハッキリと意見を言う癖がつけば、英語も上達します。便利なフレーズばかりに頼ってしまわないようにし、更なる英語力の向上を目指してぜひ頑張ってください!