ブログ記事に使われる「アイキャッチ画像」の「アイキャッチ」という言葉は、そのまま英語としても通じるのでしょうか? 日本語で「アイキャッチが欲しい」と言えば、それは「人の目を引きつけるためのもの」として理解され、例えば「パンフレットの表紙」や「お店の看板デザイン」について話すときにも使われます。
しかし、この「アイキャッチ」という言葉、実は正しい英語ではございません! 日本では当たり前のように使われていて意外かも知れませんが、英語で同じ意味を伝えたいなら「アイキャッチ=和製英語」と認識し、せっかくなので、正しい英語で伝えられるようにしておきましょう!
英語でアイキャッチイメージとは言わない
日本語の「アイキャッチ画像」を直訳して “eye-catch image” とカタカナ英語で発音してしまうと、英語では次のように聞こえてしまう可能性があります。
- “I catch image.”
- 「私はイメージをつかみます。」
これでは何を言いたいのかさっぱり分かりませんよね! 「え、いったい何の話しているの?」となります。なぜ、このように聞こえてしまうのでしょうか? その理由を知るためには、まず単語1つ1つに着目をして英語の「基礎」から再学習する必要があります。
eye は I と発音が同じ同音異義語
eye と I はスペルも意味も違いますが、発音はまったく同じです。英語で homonym(ホモニム)、日本語で「同音異義語」と呼ばれるこのような英単語は、まだまだ他にもたくさんあります。
- knight (騎士) – night (夜)
- die (死ぬ) – dye (染める)
- right (右/正しい) – write(書く)
などが良い例ですね。気になる方は 英語の同音異義語まとめ(一覧) も、是非チェックしてみてください。英語には200組以上もの同音異義語があり、知っておくと英会話の上達のためにも必ず役に立ちます。
なお、発音が同じで紛らわしい homonym(ホモニム)ですが、会話中に「どっちの意味?」と尋ねることは滅多にありません。周りの状況や前後の会話から判断すれば、何の話をしているか理解できるからです。
しかし、今回の “eye-catch image” の場合、次のもう2つの理由からさらに誤解されやすくなります。
catch は1人称 “I” の動詞(動詞の原形)
今度は、catch という単語に着目してください。日本語の「アイキャッチ」と同じ発音で catch と言う場合、1人称の主語に使う動詞の原形となります。ここで、動詞 catch の活用を少しおさらいしてみましょう。
- “He catches the ball.”
- 「彼がボールを取ります。」
- “She caught a cold.”
- 「彼女は風邪をひきました。」
- “While we were catching up with friends, ~.”
- 「友達同士で近況報告をしていたとき、~。」
基本的に catch という単語は動詞なので、このように活用するのが一般的ですよね。上の3つの例文を見た後なら、eye の後ろに動詞 catch の原形が続く言い方に違和感を感じませんか?
image に冠詞(an や the)がついていない
最後にもうひとつ、image という単語について。実は、ここにも間違いがあります。それは、可算名詞なのに前に an や the の冠詞がついておらず、また images と複数形にもなっていないということです。前にも同じことを説明したことがあります。これは、英語で「水のボトルをください」と言うとき と同じなのです。
一方、名詞の image には「周りに与える印象」や「心の中に思い描くもの」といった別の意味もあります。そして『周りに与える印象』という意味の image は不可算名詞(数えられないもの)になるため、an image ではなく image という形で言う場合、こちらの意味で解釈されてしまうのです。
実は、日本でカタカナ語になっている「イメージ」も、こちらの意味で使われることの方が多いですね。
- イメージダウンに繋がる発言
- 彼女にはあまり良いイメージがない
しかし、画像としての「image」は「可算名詞」です。英語では an image や images となるはずですので、この違いには気を付けるようにしましょう。
アイキャッチ画像を正しい英語で言うには?
さて、ここまでで “eye-catch image” と英語で言うことが、どのように間違っているかを説明してきました。
1番シンプルな正しい言い方は “an eye-catching image” となりますが、実際はその image が置かれている状況によって、次のような言い方にも変わります。
- eye-catching images(2つ以上の画像の場合)
- the eye-catching image(既に画像を共有している場合)
- the eye-catching images(上記の両方を満たす場合)
アイキャッチ画像は1つなのか、2つ以上なのか? また、話し手と聞き手が対象となるアイキャッチ画像がどの画像なのかを特定できているか? など、状況に合わせてサッと言い換えられると完璧ですね。
「アイキャッチ」を表す他の言い方は?
日本語でいう「何か人の目を引きつけるもの」という感覚は、英語での別の言い方としてそのまま使うことができます。英会話の勉強法としては、こちらのような言い方を練習する方が効果的かもしれません。
例えば、次のような言い方ができますね。
- “This article needs something (that) catches the reader’s eye at the top of the page.”
- 「この記事はページの1番上に、何か読者の目を引きつけるものが必要です。」
なお、eye は attention に置き換えることができ、(that) catches は to get に置き換えることができます。次の例文も、さきほどの例文とほぼ全く同じ意味になります。
- “This article needs something to catch the reader’s attention at the top of the page.”
- 「この記事はページの1番上に、読者の注意を引きつけるための何かが必要です。」
さらに、動詞 catch の部分は get などの「類義語(シノニム)」で置き換えることもできます。
- “something to get reader’s attention”
- “something to grab reader’s attention”
- “something to attract reader’s attention”
- “something to seize reader’s attention”
- 「何か読者の注意を引きつけるもの」
また、まったく別のアプローチから説明するには、次のような言い方もありますよ。
- “something to make it notable”
- 「何かそれを注目に値させるもの」
- “something to make it easily seen”
- 「何かそれを目立たせるもの」
- “something to make it visually attractive”
- 「何かそれを視覚面で魅力的にするもの」
今回のまとめ
さて、いかがでしたか? 今回は、アイキャッチ画像の「アイキャッチ」という単語について、正しい英語でどのように言うのかを説明しました。“an eye-catching image” や “something eye-catching” と1つのことを伝えるのに、英語では「色々な言い方で置き換えられる」のが面白いところですね。
なお、こういった「カタカナ英語」のミスは、ただ英語の勉強を続けているだけでは、なかなか気付くことができません。もしある程度の英語が話せるレベルになったら、国内にいながらでも英語で会話するチャンスを増やされることをオススメします。そうすると、より早くスラスラと英語を話せるようになるでしょう!