欧米諸国の方と比べると、日本人は英語で自分の意見を伝えるのが苦手だと言われています。もし何か意見を求められたら反対するよりも同意することが多く、コメントもなく「うんうん」と頷いているイメージです。女性に顕著のような気もしますが、海外では、日本人の男女どちらともに共通する印象のようです。
実は、海外では日本のビジネスマンが『3S』と評価されることがあります。一見すると良いイメージのように思いますが、実はこの『3S』は、silent(沈黙)smile(微笑み)sleeping(居眠り)の頭文字なのです。国際会議の場で、発言せず、微笑んでいるだけで、時には寝ている! というのは確かに衝撃ですよね。
今回は、日本人でも英語で自分の意見をハッキリ伝えるための方法をご紹介いたしますので、外国人の集まる場所に行くといつも発言ができず困っているという方は、ぜひ参考にしてみてください。3ステップに分けていますので、最後まで読むとかなりレベルアップできると思いますよ。
ステップ1.常に意見や考えを伝える
どんなに素晴らしい意見でも他の人に伝えなければ意味がありませんよね。自分の意見がある時は、恐れずに相手にどんどん伝えていきましょう。また、些細なことであっても黙り込むよりは口に出す方が良いです。
考えを述べる
自分の考えを述べる時に使う表現として一番使いやすいのが、
- I think that ~.
- 私は ~ だと思います。
です。もちろん、英語には他にも「意見を伝えるフレーズや表現」がたくさんあります。“I think that ~.” と同じ形で、英会話は初心者という人でも使いやすい表現ならこちら。
- I believe that ~.
- 私は ~ だと(強く)思います。
believe は「信じる」と覚えている方が多いと思いますが、自分が強く思っていれば think の代わりとしても使える動詞です。なので、think より思いが強い時にはこちらを使うのがいいでしょう。
自分の想定を述べる
逆に、自分の意見に確証はないけれど、なんとなくそう思うなぁ…という時に使えるのが、以下の表現です。
- I suppose/guess/feel that ~.
- 私は ~ だと思います。
suppose は「想定する」の意味を持っており、自分の中の知識や経験からの推測に基づいて意見を述べる時に使えます。guess は suppose よりも口語的な表現で、かつ、やや根拠に欠ける印象を持ちます。また feel は自分の感性を根拠に意見を述べる時に使える、感覚的な表現ですね。意思の強さとしては believe > think > suppose > feel > guess と考えてください。
なお、ここで出てきた suppose は be supposed to ~ という使われ方もよくしますね。もし意味を忘れてしまった人は、この機会に復習しておきましょう。
意見を明確に主張する
少しフォーマルな言い方では、教科書の英語でもお馴染みの以下の表現がありますよ。
- In my opinion ~.
- 私の意見は ~ です。
Opinion とは「意見」や「見解」という意味です。従って、“In my opinion ~.” という形を使うときには、「私の個人的な意見ですが」と相手や周りの意見と区別するようなニュアンスも含んでいます。
似たような表現では、
In my view ~.
In my point of view ~.
などがありますね。こちらもサッと使えるようにしておくといいでしょう。
伝えたい意見をまとめる
気持ちを伝えたいがあまりに(ついつい熱くなって、たくさん話しすぎてしまった! 結果的に、自分が何を伝えたかったのか相手に伝わったかしら?)という状況の時は、次の表現で話をまとめ直すと便利です。
- What I want to say is ~.
- 私が言いたいことは ~ なの。
- The point I’m making is ~.
- 要するに私は ~ ということをいっているの。
意見を述べる時に大事なのは、相手に伝わるようにハキハキと話すことです。あなたの意見は貴重なものですから、諦めたりせずに最後まで伝えきりましょう。意見を主張している途中で話を遮られたときのために、
- Yes, but allow me to finish (what I was saying).
- ええ、でも最後まで言わせてください。
と会話の主導権を取り返す方法も覚えておくといいでしょう。
ステップ2.賛成・反対の意見に「理由」を加える
自分の意見を伝えるだけで満足せず、相手の意見も聞くのは言語共通のマナーですね。
ただ、自分の意見と相手の意見が違っていても問題はありません。相手に100%同意する必要はないのです。欧米は日本に比べて「十人十色」「違うことは個性」という認識があるため、意見が違ったとしても対立することはありませんし、空気が悪くなることもありません。
ですから、Yes/No だけではなく「理由」も付け加えて、あなたの意見をよりしっかり相手に伝えましょう。あなたがなぜそう思ったのか? ぜひ、賛成・反対の意見と一緒に「理由」を伝えてみてください。
基本的に “because” や “reason” の単語を使えば OK ですが、文が途切れないようにだけ注意しましょう。例えば下の例文では、カンマのところで1秒も空けてしまうと、すぐ相手につけ込まれてしまいます。
相手の意見に賛成する表現
- I agree with you, because ~.
- あなたに賛成、なぜなら ~ 。
- I feel the same way, I (am/was) also ~.
- あなたに同感です、私も ~ 。
- You’ve got a point, especially ~.
- あなたの言うことは一理ありますね、特に ~。
相手の意見に反対する表現
- I’m afraid but I don’t agree, the reason is ~.
- 残念ながら私は賛成できません、理由は ~。
- That’s one perspective, but ~.
- それもひとつの視点ですが~。
- I agree up to a point, however ~.
- ある程度は同意します、しかしながら ~。
なお、相手の意見に反対する時に気を付けたいのが、強く否定しすぎることです。特に、
- I disagree.
- 私は反対です。
と言ってしまうと、どこか相手の言うことを全面的に否定する印象を受けます。
- I have a different point of view.
- 私の意見は違います。
などのように、相手の意見を尊重することが大事ですね。まずは相手の言うことをきちんと受け止めた上で、自分の反対意見を述べるようにしましょう。
★事実や仮説にも意見を!
海外の方々は日本人よりもディベートに慣れていて、周りで聞いた事実や友人に起こった出来事などを巧みに議論に取り入れます。また、それに屈することもなくさらに違った意見をぶつけてきます。これを見習って、even if や even though を使って意見を返す方法をぜひ覚えておきましょう。
- I believe you even if no one else does.
- たとえ誰もあなたのことを信じなくても、私は信じます。
- Even though it’s true that ~, I still don’t understand why …
- 実際に ~ ということが事実でも、私はまだ何故 … なのか理解できない。
ステップ3.自分の感情を素直に伝える
日本人は昔から「和」を大切にする奥ゆかしい人が多く、あまり自分の「感情」を主張し過ぎることは良しとされてきませんでした。しかし、グローバルコミュニケーションにおいてこの日本人の習慣は仇となります。
これは「英語を短期間で習得するためのコツ」をご紹介した、以下の記事の中でも語られています。
特に、日本人は「悲しみ」や「怒り」といったマイナスの感情を表に出さない傾向があるそうですが、英語は自分の感情を素直に伝える言語です。つまり、英会話ではこれらの感情も上手に伝えなければ、あなたの考えや意見を周りに理解して貰うことはできません。
悲しい感情と意見を一緒に伝える
- I’m feeling down for ~.
- 私は ~ のせいでとても落ち込んでいます。
- I’m suffering from a deep sadness because of ~.
- 私は ~ のせいで深い悲しみに陥っています。
- I am so sad that ~.
- 私は ~ でとても悲しいです。
例えば、“I am so sad that Nigehaji is over, I suppose that there will be no TV drama like that ever again.” といった言い回しを見てみましょう。この感情をさらけ出すことによって、伝えたい意見が明確になる効果をご理解いただけたでしょうか? 英語で意見を伝えるときには、とても有効な方法です。
なお、“I am so sad that ~.” のときは、あえて I’m と省略せずに、I am とすることで悲しみが伝わります。さらに、so sad の部分は声のトーンを落としゆっくり言うことで、よりそれらしく聞こえますよ。
怒りの感情と意見を一緒に伝える
- I’m angry with ~.
- 私は ~ について怒っています。
- I was little annoyed by ~.
- ~ のことで私は少しいらだちました。
- It irritates me when ~.
- ~ は私をいらいらさせます。
怒りを表現する単語は、他にも mad や upset などたくさんあります。しかし基本的には、どの単語で感情を表現しても「効果」は同じです。感情をさらけ出すことにより、伝えたい意見をより明確にするのです。1つテクニックとして覚えておきたいのは、将来の感情までをも利用してしまう方法です。
- Don’t be kidding about this or I will be mad at you.
- このことでふざけないで、じゃないと本気で怒るわよ。
面白いですね。これほど気持ちがストレートに伝わる表現はないかも知れません。
なお、自分が「どう思うか」をしっかり主張するには、上記の例でご紹介した「マイナスの感情」に限らず、嬉しさや楽しさを表現する言葉、笑顔や身振り手振りなども使ってください。自分の意見や思っている内容がどのように伝わるかは、相手があなたの気持ちを理解しているかどうかに大きく関わっているのです。
英語で 「意見を言う」 ことの大切さ
せっかく英語を勉強して英会話ができるレベルになっても、受け身で相槌ばかりでは楽しくないですよね?
そしてこれは正直な話なのですが、英会話ができるようになっても、積極的に意見を言うことができなければ英語力をさらに向上させることはできません。また、受け身のままだと海外では相手にされなくなります。
- I want to hear your opinion.
- あなたの意見が聞きたいです。
- Can you please give me your opinion?
- あなたの意見をお聞かせください。
のように「意見を求めて貰えるうちが華」だと思った方が良いかもしれません。今回こちらの記事で紹介した3つのステップの英語フレーズを駆使して、どんどん英語で意見を言えるようになりましょう!
今回のまとめ英語では常に自分の意見を言おう!
英語で自分の意見を伝える時は、相手や周りとの意見の違いに敏感になったりせず、まずハッキリ立ち位置を決めることが大事です。同意を求められた時なども、曖昧な態度を取るのではなく、Yes/No に賛成・反対の理由をしっかり述べるようにします。そうすることで、英語での発言力は随分と上がるでしょう。
また、日本人はマイナスの感情を隠してしまう習慣がありますが、むしろ実際の感情より少し大袈裟に伝えてしまうくらいになりましょう。真面目な顔をして、抑揚のない声で話すよりは、ハリウッド映画の登場人物になった気持ちで「感情豊かな」あなたを表現してみてください。あなたの意見を聞いてくれるはずです。
もし今回の記事が英会話学習の参考になりましたら、ぜひお友達やお知り合いにもシェアしてくださいね! 最後までお読みいただきまして、ありがとうございました♪