英語を学習されている皆さんは、グローバリゼーション(Globalization:グローバル化)の意味や定義などは理解されていると思います。またそれだけではなく、グローバリゼーションが世界や日本にもたらしてくれる「メリット」に魅力を感じておられるのではないでしょうか?
筆者自身も、グローバリゼーションの恩恵をたくさん受けています。昔から考えると想像すらもできなかったようなことが「途上国を含めた世界中のあちこち」で実現されていたりもして、素晴らしいと思います。
しかし反対に、グローバリゼーションは日本の文化を崩壊させるとか、日本はグローバリゼーションが原因で失業者が増えてしまうとか、メリットではなくデメリットの方を意識される方もおられるようです。これから世界のグローバリゼーションが進んでいくことは止められないですから、これは少しもったいないです。
今回の記事では、そんなグローバリゼーションのことを筆者の視点から分析し、これからのグローバル社会を生き抜くための戦略についても書いてみたいと思います。
今、世界で起こっていることなぜ?グローバリゼーションの加速
グローバリゼーション(世界のグローバル化)は、なぜ進んでいるのでしょうか? どんな意味があって誰が推進しているのでしょう? 早速、グローバリゼーションの語源となる英語の「globalize」をオンラインの Cambridge dictionary で調べてみたところ、次のように書かれていました。
- to (make a company or system) spread or operate internationally
- (会社やシステムを)世界中に広めたり効果的に機能するようにしたりすること
これは経済を中心に見たときの意味ですが、本質を見ればグローバリゼーションとは「ヒト、モノ、カネ」に付随して発生する「地域や国という枠を超えた価値観の流動」を意味します。労働力や観光客といったヒト・製品やブランドやサービスといったモノ・そして最後にカネ。これらの3つが地域や国を超えてグローバルに流動することで『世界中の人々が持つ価値観』にまでグローバル化が進んでいるのが現状です。
例えば、遠く離れた海外の人とでも「共通の価値観」ですぐに意気投合できたりしますよね。当たり前みたいにも感じられますが、これって100年前には到底考えられなかった凄いことなんです。
今、このグローバリゼーションは「技術や流通網の発展」と共に加速し、インターネットやSNSなどによる「全世界レベルでの価値観のシェア」がさらなる拍車をかけています。もはやグローバリゼーションの加速は誰にも止められないステージに来ているのかもしれません。
メリットは無限大 グローバリゼーションの好事例
グローバリゼーションには、様々なメリットがあります。その裏返しとしてデメリットがあることも事実かも知れませんが、今回はメリットに注目して「グローバリゼーションの好事例」をいくつかご紹介します。
1.多文化が共生するグローバルな世界
筆者が住むバンクーバーは、北アメリカであるニックネームがあります。 “The gateway to Asia” というもので、つまり「アジアとの架け橋」の意味です。なぜそのように呼ばれているのかというと、バンクーバーにはアジアからの移民とその産物品がたくさんあるからです。バンクーバーは、グローバルな世界の雰囲気をすぐ身近に感じられる代表的なグローバルシティだと思います。
日本の産物品や輸入品も多く、日系のスーパーに行けば「納豆」や「大福もち」なんかも手に入れられるし、「椿ブランド」のシャンプーも手に入れることができます。そのうえ「お寿司」や「ラーメン」も大人気で、ダウンタウンを歩けば3分おきに一軒が見つかるくらいです。日本の影響は食文化だけではありません。日系祭りも大人気で、毎年開かれる “Sakura Day Japan Fair” は多くの地元の人で賑わっています。
これと同じようなことは、世界中のあちこちや日本でも起きています。私が福島県で国際交流員として働いていたときには「外国の文化を紹介するフェスタ」に何度も参加しましたし、小、中、高校で国際理解のための出張講座を実施したことなども頻繁にありました。多くの文化に触れられることのメリットは、一つの価値に縛られずに物事を考えられるようになることではないでしょうか?
2.多くのビジネスにグローバルチャンス
グローバリゼーションは、企業から個人事業主まで多くのビジネスにグローバルチャンスを与えてくれます。バンクーバーに進出してきている日系企業もたくさんありますが、まずはユニクロ、無印良品の事例を詳しく見てみましょう。そして、グローバリゼーションのメリットについて考えてみてください。
実は、ユニクロと無印良品はほぼ同時に2017年にバンクーバーに上陸しました。既にグローバルプレゼンスのあった両社がバンクーバーに進出したとき、地元の人たちは大喜び。オープニング前夜から店の前で徹夜待ちした人もいたと言われます。そして今、ユニクロはバンクーバーに三軒目の店を開こうとしています。
このように、グローバルマーケットが与えてくれるビジネスチャンスはたくさんありますね。世界各地で見る製品やブランドは、それらのチャンスを掴み取っているビジネスということになります。Apple の iPhone や Starbucks Coffee なども有名ですが、Nescafé や Colgate など身近な例をあげるとキリがありません。また、最近は Kickstarter などから突如グローバルマーケットに踊り出すスタートアップ企業もあります。
世界を見渡せば、どんな小さなビジネスにも「大きなチャンス」があるということです。
3.途上国に見られるグローバルな発展
先進国だけがグローバル化されていると思ったら大違いです! 実は、開発途上国も次々とグローバル社会になっています。地域によっては、先進国よりもグローバリゼーションが進んでいるところさえあります。
例えば、海外旅行先や移住先としても人気の「タイ」や「マレーシア」では、まさにグローバリゼーションが加速しています。物価が安く気候も良いので、英語圏やヨーロッパでも大人気の観光地であり、ヒトの流動に合わせて「モノ」と「カネ」と「価値観」の流動も激しくなっています。現地に行くと「先進国との違い」が意外に限られていて驚くかもしれません。分野によっては、先進国より進んでいることだってあります。
もう1つの開発途上国におけるグローバリゼーションの好事例として、スマホやインターネット回線の普及、太陽光発電などクリーンエネルギーの有効活用が挙げられます。私の友人で最近アフリカの国々を訪れた人の話では、貧しい地域の子どもたちがスマホを操作している光景に何度も遭遇し、衝撃だったそうです。これもグローバリゼーションが「世界の価値観」に影響を及ぼしている良い例ではないでしょうか。
グローバルに活躍したい人は必見!デメリット克服よりメリット最大化を
グローバル化のメリットを最大化するためにはどうすればいいでしょう? グローバリゼーションの波に乗るために大切なこととは? おすすめの戦略は、デメリットを克服するよりもメリットを最大化することです。ここでは、私から具体的な3つのことを提案します。
1.グローバル言語である英語を使う
学校教育で受験英語を勉強した方は多いと思いますが、これからのグローバル社会で必要されるのは、実際に使える英語です。英語さえできれば北アメリカとヨーロッパだけではなく、アジア諸国やアフリカ大陸なども行き来しやすくなります。非英語圏の若者たちが驚くほど流暢な英語を話すことも珍しくありません。
また、グローバル社会の生活を潤している経済は、さらにグローバル化することが予想されます。そのための真の力となるのは、グローバルコミュニケーションの源になる言語―英語です。 より多くの情報を吸収できるばかりか、それを貿易のアウトプットにも使えます。加えてグローバルエリートとなる交渉術や会話術などを英語で学べば、世界にとって欠かせない人材となるでしょう。
- The first step to globalization: Start with English.
- グローバリゼーションの第一歩:英語からスタートする
2.グローバル展開で世界を豊かにする
グローバル展開で世界を豊かにしている例はたくさんあるけれど、 ここでは iPhone を挙げましょう。
iPhone の生みの親 Steve Jobs 氏は、携帯そのものを超えた「21世紀の通信機」を作りました。そして現在、携帯にはパソコン、テレビ、電話、カメラなどすべての機能が濃縮され、日常生活には欠かせない電子製品となっています。
その先頭となったのはまさしく iPhoneです。では、もし iPhone が世界的な製品ではなくて「地域に限定された製品」だったとしたら、私たちの生活はどうなっていたでしょうか? きっと生活全体は今ほど便利ではなく、世界経済の発展もアンバランスになっていたでしょう。
- The world is connected.
- この世界はつながっています。
良い製品だけでなく、良い文化や良い考え方など、これらをグローバル展開することができれば、世界全体を豊かにできる可能性があります。思う存分、あなたの創造性で世界を豊かにしましょう。
3.アイデンティティーを自覚する
グローバリゼーションは、人や国や文化に「新しいアイデンティティー」を与えてくれます。言い換えれば、私たちはグローバリゼーションのおかげで「自分らしさ」や「人間らしさ」を再認識できるという意味です。
今の私たちはとても国際的な世界を生きており、日々の生活の中でも「アイデンティティー」を再確認したり再形成したりしています。自分ではグローバリゼーションと関係ないところで生きているつもりの人でさえ、やはりどこかでグローバリゼーションの影響を受けているものです。
例えば、オリンピックなどは良い例でしょう。様々な国の人たちが同じスポーツで競い合う姿を見ると、選手の顔や体つきや肌の色はみんな違うし、言葉も違います。そんな中、自国の選手を応援したり他国の選手を応援したり、自分のルーツを確認する一方、周りのルーツも認めて敬意を払います。そして「世界中の人たちが同じ場面で同じように感動する」という人間らしさの基本も学びます。
- We are all different but all the same.
- 私たちはそれぞれ違うけれど、みんな同じ。
目の前の人を受け入れながら人生を楽しんでいきませんか? 自分自身のアイデンティティーを自覚すれば、周りのアイデンティティーも尊重できるようになり、きっと世界は違って見えてくるはずです。
メリットを引き出せるかは自分次第!グローバリゼーションの波に乗ろう
今回の記事は「グローバリゼーションは止まらない!自分でメリットを最大化しよう!」というタイトルで、これからますます加速していくであろうグローバリゼーションとの向き合い方について書きました。英会話を学ぶのと同時に、できる限りグローバルな視野とマインドも養っていくようにしましょう。
将来、海外で仕事をする(したい)という方や、これから留学を考えている方、または海外への移住を考えている方は、ぜひ参考にしてください。グローバル社会のメリットを最大限に引き出せれば、必ず大きな成長に繋がります。だから、勇気をもって、心の奥に秘めている夢を実現して行きましょう!
- You can do it!
- あなたならきっとできます!
最後まで読んでいただき、どうもありがとうございました。