ポケトークやGoogle翻訳などのAI翻訳があれば外国語は勉強しなくて良い?

近年、ポケトークなど携帯型の自動翻訳機が話題になっていることや、Google翻訳の精度が上がってきていることから「もう英語などの外国語は勉強しなくて良いのでは?」と感じる方もおられるかもしれません。

しかし実際はどうでしょうか? 英語を勉強せずにポケトークやGoogle翻訳に頼りきるコミュニケーションは限界がありますしリスクもあります。今回は、実際にAI翻訳に頼りすぎるとどうなるのか、そして今後の英語学習の必要性について書かせていただきます。

AI翻訳には限界がある

世間で評判のポケトーク、Google翻訳などの「AI翻訳」は翻訳精度が年々上がっており、シンプルな内容の翻訳などには便利です。例えば、旅行英語で使用するような「決まりきったフレーズのみ」を話す場合なら、AI翻訳機は十分に実用的と言えるでしょう。また大量の文を一気に翻訳するのにも便利です。

しかし、AI翻訳はあくまでもこれまでの統計と文法及び辞書をベースに行っているため、複雑な文章の翻訳や本人たちにしか分からないようなトピックの翻訳には使えないのも事実です。また人間同士の会話スピードに自然に入ること、アクセントやニュアンスから微妙な意味の違いを汲み取ったりすることも、難しいです。

このAIの限界については、言語学習に限らず様々な研究がされています。日本でもAIが東大に入れるのか? という研究が行われ、まだ現時点ではAIの東大入学は不可能だという結論が出されました。

東ロボくんをご紹介します。このAIは、大学の入学試験で上位20%の成績を収めました—何も理解することなしに。ロボットがすぐ大学に入学するようになるわけではありませんが、東ロボくんの成功は人間の教育の未来に疑問を提起します。人間がAIより上手くできることについて子供たちが上達できるよう、私たちはどう助ければよいのでしょう?

このように、AIは言語学習を含めあらゆる学習において完全とはいえないのです。ドラえもんが出すアイテム「翻訳こんにゃく」のようにリアルタイムで通訳してくれるAI翻訳機ができればそれは便利ですが、実際にはAIには限界があるのです。AI翻訳が人間と同じスピードで完璧に翻訳してくれる日は来るのでしょうか?

AI翻訳は使える?リスクは?

AI翻訳に頼りすぎた場合、どのようなリスクがあるでしょうか。一番大きなリスクは、やはり伝えたいことと異なった内容が相手に伝わってしまうことでしょう。そしてその過ちに気づかないことです。

AI翻訳があれば英語学習は不要?

口語の誤認識や誤訳は付きもの

例えば、ポケトークやGoogle翻訳ではちょっとしたニュアンスや雰囲気を察することができません。そのため日本語⇒英語に翻訳すると大事な枕詞が変な訳になったり、適切でない言葉が使用される危険性があります。こういった誤訳が起こるのは、言語にはハイコンテクスト言語とローコンテクスト言語があることも関連しており、現在のAIには背景や文化の違いといったコンテクストまでを察知する能力はないということです。

また、単純に口語(特になまりや方言)では正しく認識してくれない場合もあります。AI翻訳の誤訳によっておかしな内容が伝わった際、仲の良い友人同士の会話であれば誤解を解くのは難しくないかもしれませんが、ビジネスや政治の世界においてはたった1つの誤訳が信頼関係に大きく影響する可能性もあります。

実際には使えないシーンも多い

次に、シーンによっては雰囲気的にAI翻訳が使えないことが多くあります。周りが普通に会話をしているのに自分だけポケトークやGoogle翻訳機を使うというのは場違いですよね。海外で良くあるパーティーや懇親会で1人きりでAI翻訳に頼ることはできません。これは日本国内の国際交流であっても同じことです。

1対1でシンプルな質問を数回するだけのシーンならまだしも、継続的なコミュニケーションをするシーンではポケトークやGoogle翻訳を使った会話に根気良く付き合ってくれる人などそうそういないものです。しかし、一定レベル以上の英語力を持った人(=誤訳に気づける英語力のある人)がAI翻訳を活用する分には問題ないともいえます。AI翻訳はあくまでも「困った時の補助として使えるかも」くらいに考えておきましょう。

英語教育の必要性と言語学習の醍醐味

上記の理由から英語教育・言語学習はまだまだ必要だと考えることができます。新しい言語の習得には多くの時間と努力を必要としますが、言語学習を通して様々な国の文化を知ることができたり、海外に多くの友人ができたりするなど、多くのメリットを持っていると思いませんか?

その中でも英語をずっと勉強してきた私が考える言語学習の醍醐味は「違った自分を楽しめる」ではないかと感じています。私の場合、英語を話している時の自分は少し強気で声のトーンも日本語に比べて下がります。一方、日本語を話している時の自分は人当たりが柔らかく抜けた感じ。

また私の場合、英語を話している自分の方が日本語を話している自分に比べて性格もフレンドリーで外交的になります。どちらの言語を話している時も自分であることに変わりはありませんが、このちょっとした自分の変化を私は楽しんでいます。日本語と英語、両方話せるからこそ知ることのできる新しい自分の発見です。

AI翻訳と英語学習の今後

Google翻訳アプリやポケトークは今後も進化する

今後も翻訳機の精度はどんどん上がっていくことが想像されますが、AIに不可能なことがなくなる時代がくるのはもう少し先のこととなるのではないでしょうか。何より、英会話の習得や言語学習を通してグローバルな教養力や感覚を養うことは、今後グローバル化する日本の未来においてまだまだ重要です。

AI翻訳があれば、もう英語を勉強する必要はないかも? なんて思ってしまった方も、この記事をきっかけに英語学習の必要性を再度考えていただき、英語学習を頑張ろうと新たに思っていただけたら嬉しいです!