英語を話すときに緊張して話せない、外国人を目の前にするとナーバスになって単語が出てこなくなるなど、あなたもこのような経験をしたことはありませんか? せっかく英会話を習ったのに、楽しく会話できないと落ち込みますよね。
また、一度「緊張して話せなかった」という経験がトラウマになってしまうと、その後の上達を妨げる原因にもなりかねません。そこで今回は、外国人を相手に英語で「緊張せず」話すための方法をご紹介します。
緊張が英会話の上達も妨げる意外な2つの理由とは?
なぜ、緊張すると英語を話せなくなってしまうのでしょうか? その理由を解説するために、まずは「実際に緊張してしまっている英語での会話例」を見てみます。
次のダイアログは、カナダのバンクーバーに来てまだ間もないミズキが、偶然出会ったティナと何気なく話し始めたときの会話内容です。さて、どこに緊張感があるでしょうか?
- Tina: Where are you from?Mizuki: I’m from Japan.Tina: Oh Japan! I’ve always wanted to go! Where in Japan are you from?Mizuki: I’m from Shizuoka, it’s a beautiful place.Tina: I see. Is it your first time here?Mizuki: Yes, my English isn’t very good, so please talk to me slowly.Tina: Oh sure… em… are you enjoying your stay so far?
- ティナ: 出身はどちらですか?ミズキ: 日本からです。ティナ: 日本! ずっと行きたいと思っていました! 日本のどこからですか?ミズキ: 静岡という場所です。とても綺麗なところです。ティナ: そうなんですね。ここに来るのは初めてですか?ミズキ: はい、あまり英語が上手ではないので、ゆっくり話してください。ティナ: あぁ… えっと… これまでのところ滞在は楽しんでいますか?
海外で外国人と出会ったときにとてもよくある会話の内容ですが、どこに緊張感がありましたか?
ミズキは「英会話を上達させたい」と思っていて、日本からバンクーバーにまで来ています。また、ティナも日本に興味があるということでした。それなのに、会話はすぐに緊張感に包まれてしまいましたね。
こうなると後の会話も続きにくくなるのですが、その原因は2つあります。
1. 相手にも緊張感が伝わってしまう
「英語が苦手だから、理解して貰えるかなぁ」と心配していると、緊張して受け身に回りがちです。
そして、その姿勢が相手に伝わると、相手も「リラックスして貰うために工夫しなくちゃ」とか「もっと質問しよう」「もっと面白そうな話をしよう」と考えなければなりません。
このとき、相手も緊張してしまいます。「気を使っているんだ、やっぱり私は外国人と話すのが苦手だなぁ」というような思いが、どこかで出てくるかもしれません。
上の例は、ティナからの質問にミズキが答えていきました。最初は大丈夫かもしれませんが、質問が尽きるとティナも段々と緊張していきます。ダイアログからも緊張感を感じることができるでしょう。一度このようになると二人とも静かになり、会話の続きにくい雰囲気に変わってしまいます。
2. 心理状態に影響して悪循環になる
「どうしよう、英語で会話してる!」そのように思ったら、あなたは自分の英語が完璧であることに一生懸命気を配ります。そして、単語は正しいかどうか、文法は成り立っているかどうかを気にしすぎているうちに、返事するのが遅くなります。そうすると、ますます「だめだ」という思いが強くなります。
一方、外国人の相手も一生懸命に聞き取ろうとするので、体を傾けて「聞くよ」という姿勢で待ち構えます。ですが、このような状態が長く続くと、相手もますます「どうしよう」という気持ちになります。
そのようにして緊張感が循環していき「だめだ」という思いが「うまくいかない」現実を作ってしまいます。こういう経験がトラウマになり、次からさらに緊張してしまう方も中にはいらっしゃいます。せっかく実践で英会話をするチャンスなのに、これではもったいないですよね。
では、この緊張感を断ち切るにはどうすればいいでしょうか? 三つの方法をお伝えします。
英語で外国人と会話を続けるコツ緊張しないための三つの方法
誰でも、自由自在に外国人と会話を楽しみたいはずです。言葉のレベルはどうであろうと、新鮮な話の内容を楽しんだり、目の前の人たちと一緒にいる時間を楽しんだりしたくて、英語を習っているはずですよね。
余計な緊張感をなくして外国人との会話をスムーズに続けるためには、次の三つの方法を試してみて下さい。
1. 積極的に何でも質問をする
会話はキャッチボールのようなものです。質問されたことに答えるだけの形、相手のコメントに対して自分の感想を述べるだけの形では、自然な会話はできなくなります。なので、英語力が足りないとか、まだ出会ったばかりだからとかの口実を作って「気を付ける」より、むしろ自分から積極的に質問をしていきましょう。
相手がどういう人なのかという素直な気持ちで質問していけば、自然と緊張感も解けていきます。
すぐ質問を返せば「何か話さなくちゃ」や「英語力に自信がない」というような悩みも解消し、相手の答えに合わせて自分もコメントしたり、次の質問を投げ掛けたりと、自然と会話が続いていきます。目の前の相手と大好きなもので繋がれたら「この人が好き!」という好感も生まれ、会話は良い方向に向かい始めます。
2. 好きな分野や得意な話をする
緊張感をなくす方法の一つとして、好きなことを話すのも良いです。好きだから、情熱が出て会話が楽しいと感じれるようになります。そこから「あなたもそこに行ったことがありますね!どうでしたか?」「全く同じことを経験しましたよ!」のようになると、知らない二人が繋がり、リラックスできるようになります。
相手と趣味が違うのであれば、質問を重ね、お互いに共感できるような話題を見つけましょう。好きな分野、得意な話をして共通点がない相手とは、長く付き合いたいと思わないでしょう。なので、この方法を使えば、本当に人生で繋がっていけるような外国人とたくさん話せるようになっていきます。
3. 外国人と英語で話す機会を増やす
緊張しないために「外国人と英語で話す機会を増やす」は当たり前かもしれませんが、よく見落とされます。オンライン英会話、英会話カフェ、ミートアップなど、利用できるものは何でも利用しましょう。
実は、誰かと初めて出会うときの会話にはパターンがあり、ほぼ変わりません。誰なのか、どこから来たか、何をしているかなど、繰り返しているうちに「考えなくても自然に」質問や答えが出てくるようになります。
はじめてのときは誰でも少しは緊張しますが、数をこなせばすぐに怖くなります。外国にいても日本にても、外国人と英語で話す機会を増やしておけば、もはや緊張せずに話せるようになっているはずです。
外国人と対等な立ち場で話す!緊張せずに話せるとこうなる
では、上に提案した三つの方法を、最初に紹介したダイアログに応用してみます。緊張せずに会話ができるとこのようになります! さて、どのようなことに気付きますか?
- Tina: Where are you from?Mizuki: I’m from Japan, have you been there before?Tina: Oh Japan! I haven’t been but I’d love to go there one day! Is there a place you recommend?Mizuki: I suggest you to go to Shizuoka, my hometown, because you can see the beautiful Mt. Fuji there. Do you like nature?Tina: Yes I do. In fact I grew up in a farm where I fed horses! I heard Mt. Fuji is famous and I’d love to check it out for sure! So, how long have you been in Vancouver for?Mizuki: It’s my second week. I’m still not used to speaking English all the time.Tina: Really? You speak quite well! Don’t worry about it, you’ll get used to it very soon!
- ティナ: 出身はどちらですか?ミズキ: 日本からです。行ったことがありますか?ティナ: 日本! 行ったことはないですけど、いつか行ってみたいです。おすすめの場所はありますか?ミズキ: それなら静岡に行ってみてください。私の故郷で、そこでは美しい富士山が見られます。自然は好きですか?ティナ: 好きです。実は私の実家は農家で、馬に餌をあげたりして育ちました。富士山はすごく有名なのでいつか見たいなあと思っていました。バンクーバーに来てどれぐらいですか?ミズキ: 二週目です。まだ常に英語を話すのに慣れていなくて。ティナ: 本当? すごく上手ですよ! 大丈夫、すぐ慣れますから!
冒頭の英会話とどこが違うか、分かりましたか? 会話の雰囲気はずいぶん明るくなったと感じましたか? 質問やコメントをするだけで会話がフレンドリーになるので、ぜひ使ってみてください!
今回のまとめ海外の人とも積極的に話そう
英語を話すときは、あなたが緊張してしまうと「相手の方も緊張する」「緊張感がさらなる悪循環を生む」ということをお伝えしました。このような経験をしてしまうと、それがトラウマとなってしまったり、せっかく外国人の友達をつくるチャンスを逃してしまったり、英会話上達の妨げにもなってしまいます。
ですから、普段から「外国人と話す機会を増やす」ということはもちろん、自ら「積極的に何でも質問する」「好きな分野や得意な話をする」ということを試してください。英語のレベルに差があるからとか、初対面の会話で知らない相手だからとか、このように気を使ってしまっている間は、上手に英語で話せません。
旅行先やビジネスなど外国人と英語で話す機会は色々あると思いますが、アプリを使って海外の人と話すのも1つの手です。今回の緊張しない方法を実践して、充実した会話を体験していただければ嬉しいです!