関西弁といえば関西人にしか通用しない単語が意外と多くあることでよく話題になりますが、それらを英語でどう言うか考えたことはありますか?
今回は関西人の私がよく使う、標準語にはない関西弁の英語訳を例文と共にご紹介します!
遠慮のかたまり
大皿に盛られて出てきた料理などの「最後の一つ」や「最後の一口」を誰も食べようとしないとき、関西ではそれを「遠慮のかたまり」と言います。
「遠慮する」の英語は hesitate (/ˈhɛzɪteɪt/) ですが、「遠慮のかたまり」から英語に直訳はできません! もし飲み会やパーティーの場で「最後の一つ」をいただきたいときは、次のように言いましょう。ピザやパイのように平べったい食べ物なら piece の代わりに slice を使います。
- Can I have this last piece?
- この遠慮のかたまり、もらっていい?
また「遠慮のかたまりになっているな……」と感じたら、他の人にすすめることもできます。その場合には、シンプルに次のように言うと良いでしょう。
- Please finish that up!
- 遠慮のかたまり、食べちゃって!
サラ
関西出身ではない人にはよく「皿」と間違えられますが、関西で「サラ」といえば「新品」の意味。また「サラぴん」と言ったり、完全に新品のときは「まっサラ」と言ったりするときもあります!
- I love your shoes! Is it new?
- その靴めっちゃおしゃれ!サラなん?
海外では他人の着ている服や靴などを褒めることが多いので、会話を続けたいときにはぜひ「サラなん?」と一緒に聞いてみましょう。
なおす
「直す」でも「治す」でもなく、関西弁の「なおす」は「片づける」という意味で使われています。状況にもよりますが、put back や put away が適切な英訳と言えるかと思います。
- Can you put this book back?
- この本なおしといてくれる?
めばちこ
個人的に、当たり前のように使っていた「めばちこ(=ものもらい)」が東京で通じなかったときは、びっくりしました。そんな「めばちこ」は英語では stye (/staɪ/) といいます。
- I got a stye in my eye!
- めばちこができてもうた!
青たん
めばちこと合わせて知っておきたい関西弁は「青たん」ではないでしょうか。
青たんは標準語でいう「青あざ」のことで、英語では bruise (/bruːz/) と言います。
- I got a bruise on my arm.
- 腕に青たんができてしまった。
「~が理由で青たんができた」と言いたいときは “I got a bruise from~” と使えばオッケーです。ちなみにこの bruise という単語、果物や野菜などの「傷んでいる部分」に使うこともできますよ!
正味(しょうみ)
標準語では「正味=実質的な数量」を表すようですが、関西弁で「正味」と言うと「本当のところ」といった意味になり、若者を中心にかなり幅広い場面で使われています。
- I said yes but honestly, it’s too much work.
- いいよって言ったけど正味めんどくさいわー。
また関西人がよく使う「知らんけど」の意味も含めて言うのであれば、下記のように使ってもいいですね。
- I don’t really understand though.
- 正味よう分かってへんねんけどねー。
これ!と直訳できる英単語は存在しないので、その時々で honestly, actually, really などといった単語で「本当のところ」という雰囲気を出しましょう!
サブイボ
寒いときやヒヤッとしたときの「サブイボ (=鳥肌)」は、英語で goosebumps (/ˈɡuːsbʌmps/) と言います。
- I got goosebumps watching this video!
- この動画見ててめっちゃサブイボ出た!
サブイボから英語は連想しにくいですが、鳥肌の “鳥” から goose (ガチョウ) という単語が使われていると考えれば覚えやすいのではないでしょうか。
行きしな/帰りしな
行く途中・帰る途中のことを、関西弁では「行きしな・帰りしな」とよく言います。どうやら東京ではあまり通じないものの、新潟や広島など関西圏以外でも使う地域はあるようです。
まず「行きしな」を英語にするとこんな感じになります。
- I’ll stop by the convenience store on the way!
- 行きしなにコンビニ寄って行くね!
そして「帰りしな」の場合は、back もしくは home をつけるだけで大丈夫です。
- I saw my friend on my way back.
- 帰りしなに友達に会ってん。
ぐねる
ぐねるとは足首などを「ひねった・くじいた」という意味です。英語では「ひねる」が twist で、もう1つ「くじく」や「捻挫」を意味する sprain という単語もあります。どちらを使っても通じます。
- I think I twisted my ankle.
- 多分足首をぐねっちゃった。
ほかす
「ほかす」は関西弁で「捨てる」の意味になります。この単語は関西だけでなく、広島でもよく使われているようです。英語ではシンプルに throw away を使いましょう。
- Can you throw away that umbrella?
- その傘、ほかしておいてくれる?
まとめ
今回は「関西人がよく使う関西弁の英語訳」を10個ご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
- 遠慮のかたまり
→ the last piece - サラ
→ new - なおす
→ put ~ back - めばちこ
→ stye - 青たん
→ bruise - 正味
→ honestly, actually, really - サブイボ
→ goosebumps - 行きしな/帰りしな
→ on the way (back) - ぐねる
→ twist, sprain - ほかす
→ throw away
いずれも英語で知っていたら便利な単語ばかりなので、ぜひご活用ください!