First name で呼び合うことが英語によるコミュニケーションでは重要

日本では幼馴染みの友人や家族を除けば「下の名前」で呼び合うことは少ないですが、英語では逆で、むしろ First name (名前) で呼び捨てが基本になります。Mr.Mrs. のあとに Last name (苗字・姓) を呼ぶ場面もありますが、英会話を勉強されている方は、ぜひ First name (名前) を使うことに慣れてください。

特に、会社で英語を使う仕事を始めたばかりという方は、仕事関係の人に Mr.Mrs. を使いがちですよね。でも、少し待ってください! 英語では First name を使わないと「良好な関係」が作りにくいということをご存知でしたか? 以下では、First name でお互いの名前を呼び合う重要性についてお話していきます。

First name で呼ぶ=世界標準のマナー

世界では、大多数の国が First name (名前) を先に呼び、Last name (苗字・姓) は後ろに付け加えられます。ましてや、知り合い同士での会話中には「苗字」を使うことはまずありません。Mr.Mrs. が使われるのは、病院や公共施設の待合室や、何かの発表の場などのかしこまった場面くらいです。

「でも、ビジネス英語では違うでしょ?」

と思われるかもしれませんが、実はそんなことはありません。会社の上司や取り引き先の相手に対してでも、英語では First name で呼び捨てが基本なのです。普段から接していくことになる人に Mr.Mrs. を使うと、それは逆に「あなたとは形だけの付き合いですよ」というメッセージを発してしまう可能性があります。

例えばですが、挨拶をするだけの関係に留めておきたいご近所さんのような距離感をイメージしてください。せっかく知り合った人たちに対して “知らないうち” にそんな態度で接しているとしたら、せっかく英会話を習おうとしているのに、何だかとてももったいないと思いませんか?

First name を教えてくれない日本人

簡単な自己紹介の際、日本では苗字を使うことが一般的ですね。しかし、英語を話せるようになるためには、日本での習慣を引きずってはいけません。英語を勉強するのなら、英語でのコミュニケーション方法も同時に学び、そして理解する必要があります。

例えば、あなたの名前が SUZUKI Yuta さんなら、どう自己紹介すれば良いでしょうか。

“Nice to meet you. My name is Suzuki.”
「はじめまして。私の名前は SUZUKI です。」

とお辞儀をして自己紹介するというのは、いかにも日本人らしい間違いです。相手の方も日本語を話せるか、日本の文化に精通されているなら大きな問題にはなりませんが、良好な関係を築いていきたいのなら、やはり避けた方が賢明です。理由は、第一印象として「話しづらく近寄りがたい人」と思われてしまうからです。

これは、英語の勉強を「独学」でされている方に特に多い失敗です。Mr.Suzuki のように敬って名前を呼んで欲しいわけではありませんよね? 誤解を防ぐには、苗字は使わず First name だけを使いましょう。

“Hi, I’m Yuta. Nice to meet you!”
「こんにちは、Yuta です。はじめまして!」

この部分から恥ずかしがっていると、英語でコミュニケーションを取って人と仲良くなることはできません。まずは世界標準のマナーを身に付けることが大事というお話は、以前にもご紹介しましたね。

First name で呼び合えば親しくなれる

英語ではちょっとした呼び掛けにも First name を使う

英語での会話中は、とにかく頻繁に First name を呼び合います。日本語にあたる「あのさ」や「ねぇねぇ」といった呼び掛けの言葉は、すべて「名前」に置き換わることをイメージしてください。

さらに、初対面で “By the way, I’m David.” など自己紹介をされた直後にも、“Hi Yuta, how are you?” と挨拶をされた場合にも、相手の First name を口に出して返事をすることが求められます。

“By the way, I’m David.”
“I’m Yuta. Nice to meet you David.”

“Hi Yuta, how are you?”
“Hi David! Good, and you?”

といった具合ですね。会話中に相手の名前を呼ぶことは「あなたに対して話し掛けていますよ」と意思表示をしているに過ぎませんが、これができるのとできないのとでは相手に与える印象が全然違います。

このことについて、日本人縄跳びパフォーマーとして米フロリダのシルク・ドゥ・ソレイユ「La Nouba」で5年間ご活躍されていた粕尾将一さんが、面白い実験をされています。First name で名前を呼ぶようにしただけで、実際にコミュニケーションが円滑になったそうですよ。たかが名前とは侮れませんね。

これは個人的な感想だけど、世界の人達は日本人が感じている以上に「名前を呼ばれること」を喜ぶと思う。その証拠に些細な日常会話であろうが、事務的な伝言であろうが、ちょいちょい名前を挟んでくるのだ。この流れで名前呼ぶ必要ある? みたいな場面でも、しきりに名前を呼ぶ。日本人はどうだろうか。
海外では「名前を呼ぶ」が想像以上に重要なコミュニケーション

仕事のメールも First name を使おう

これまで Last name で呼び合っていた関係の人に対して、いきなり First name を使うのには抵抗があるかも知れません。ならば、例えばメールの結びに入れている署名の名前をフルネームから First name のみにして様子を見てみましょう。この方法なら、相手から呼び方を変えてくれる可能性が高くなります。

Best regards,
SUZUKI Yuta

などと日本語の表記順で署名を書かれている方なら、特に効果があるでしょう。少しプライベートな話題にも触れつつ First name だけで自分の名前を書けば、相手も反応しやすいです。次のようにしてみましょう。

Have a nice weekend,
Yuta

このとき、もし相手から自分の名前の呼び方を変えてくれたら、自分もすかさず相手の名前を First name で呼ぶようにしましょう。また、メールの書き出しや結びの言葉も、相手の使っているレベルのものに合わせると良いです。相手が “Hi Yuta” と書いてくれたのに “Dear Mr. …” と返すと相手を困惑させてしまいます。

Last name (苗字) は使わない?

ここまで、英語で交流を深めるためには First name を使うことがいかに重要であるかを説明してきました。では、Last name (苗字) は使わないのでしょうか?

これは初めの方にも少し述べましたが、普通の人であれば、病院や公共施設の待合室や、何かの発表の場などのかしこまった場面でない限り「ほぼ」使われません。実際に、海外経験が抱負な英会話オンライン編集部のライターにも「普段は First name で呼ばれることしかない」という人がいるくらいです。

もちろん、仕事上の立場、人付き合いの持ち方、英語で話す相手方のお国柄によっても変わります。例えば、学校の先生には Mr.Ms. が使われますし、大学の教授なら Professor、お医者さんなら Dr. が使われます。どういった場面で Last name を使うべきかは、慣れてくると次第に分かるようになってきます。

もし「どうしても相手の名前を呼べば良いか分からない」場面に遭遇したら、次のように聞きましょう。

“What should I call you?”
「何とお呼びすれば良いですか?」
“Can I call you David(first name)?”
「 David (下の名前) と呼んで良いですか?」

ただし、スムーズに自己紹介ができていれば、こういうシチュエーションになることはあまりないはずです。また、ほとんどの場合は First name だけで十分にコミュニケーションが成立すると覚えておきましょう。

今回のまとめ

いかがでしたか? 今回は、英語で First name (名前) を使うことについての重要性をご紹介いたしました。自分の自己紹介のときに使う名前もそうですが、英語を使ったコミュニケーションで海外の方と知り合うときは、ぜひ相手の名前も First name で呼ぶようにしてみてください。第一印象がぐんと良くなるはずです。

教科書、参考書、英会話アプリなどを使って独学で英語を勉強されている方は、こういう実際の英会話体験を早めに経験することで、その後の学習スピードも早くなります。これまで First name での自己紹介ができていなかった方や、これから外国の方と接する機会が増える方は、ぜひ参考にしてみてくださいね!