英語で「よろしくお願いします」を言いたい人は「英語脳」を鍛えよう

日本人同士の会話で、とにかくよく出てくる「よろしくお願いします」というフレーズ。ビジネスシーンからご近所付き合いまで広く使われ、日本でこのフレーズを聞かない日はないと言っても過言ではないでしょう。ですが、このフレーズを「英語でどう言うか?」と考えるのは少しナンセンスです。

そもそも、日本語の「よろしくお願いします」はさまざまなシーンで使うため、私たちは何を意味したいかを深く意識していません。そんなフレーズの英訳を頭をひねって考えるのは時間が掛かりますから、それなら、はじめから「こんなとき英語でどう言うか?」と考える方が圧倒的に早いです。それが「英語脳」です。

日本人は英語学習に熱心ですが、アジア諸国と比べて「英語脳」の持ち主が少ないのが欠点です。

なぜ「よろしくお願いします」を英語にすることは非現実的なの?

日本語の「よろしくお願いします」というフレーズを厳密に英訳すると、その英訳パターンは20にも30にも及びます。そのうちのいくつかのパターンを紹介している記事などをたまに見掛けますが、本質を理解せずにこういった記事を参考にしてしまうと、おかしな英語を使ってしまう可能性が高いです

メールの返信などであれば時間を掛けて確認ができるので「何とかなる」かもしれませんが、会話の流れで「よろしくお願いします」と言いたいなら、日本語から英訳を考えている暇などありません。

実際に、誰かとの初対面で「よろしくお願いします」と言うシーンで考えてみましょう。

ビジネスの初対面シーンで「よろしくお願いします」と言いたい場合

ビジネスの初対面シーンで「よろしくお願いします」と言うときは、丁寧で定型的な挨拶として、さまざまな意味を含んでいます。「はじめまして」や「以後お見知り置きを」といった意味が基本ですが、それに加えて「頑張ります」「期待しています」など、相手との関係によってニュアンスは何パターンもあります。

以下の例のような日本語の会話を英訳しようとすると、その複雑さがよく分かるはずです。話し手の立ち場が変わると、たったそれだけで「よろしくお願いします」のニュアンスも変わるからです。

――「はじめまして。本日からお世話になります、藤川絵梨花と申します。よろしくお願いします」「チームリーダーの生田健太郎です。待っていましたよ。こちらこそよろしくお願いします

ここで1つ注意すべきことは、英語のビジネスマナーと日本のビジネスマナーは随分と違うということです。職場への初出勤でどんな英語を使うかを調べるなら「first day at work」や「first day of job」のように英語で検索をし、そこで見つかる情報を参考にする方法をおすすめします(以下の動画はその一例です)。

上記の例は社内での挨拶になりますが、取引先で初対面の相手に「よろしくお願いします」という場合は、「お時間を取っていただき、ありがとうございます」のように、また違った解釈で英訳する必要があります。要するに、パターン毎に英訳を覚えるのではなく、そういうシーンで英語を話し慣れていることが重要です

ご近所付き合いの初対面で「よろしくお願いします」と言いたい場合

今度は、ご近所付き合いの初対面で使う「よろしくお願いします」について見てみましょう。本質的には何を伝えたいのかということを意識して、日本語の会話文を読んでみてください。

――「はじめまして。隣りに引っ越してきた、前田と申します。よろしくお願いします」「あら、こちらこそよろしくお願いします。田中です。どうも、ご丁寧にありがとうございます」

先ほどのビジネスシーンと同じく「よろしくお願いします」を初対面で使っていますが、この場合は「頑張ります」や「期待しています」のニュアンスは皆無ですね。そうではなく、「これから挨拶してくださいね」「ご近所同士なので仲良くしてください」といった、別のニュアンスになっていると思います。

こういう場面でどういう英語を使うかを調べる場合も、やはり「how to talk to new neighbors」などと英語で検索をし、そこで見つかる情報を参考にする方法をおすすめします(以下の動画もその一例です)。

まだある「よろしくお願いします」の利用シーン

日本語での「よろしくお願いします」の利用シーンは、初対面のとき以外にもたくさんあります。

はじめに忘れてはいけないのが、メールの締め言葉として定型的に使われている「よろしくお願いします」の存在です。これは英語で「business email conclusion examples」と検索するのが賢明でしょう。

さらに、何かをお願いするシーンで「お任せします」「任せました」の意味として使われたり、何か具体的なお願いではなく「お世話になります」「ご贔屓に」の意味として使われたり、ただ単に「~してください」の意味のみで使われたりすることだってあります。

  • 「今日の議事録、よろしくお願いします
  • 「では、あとのことはよろしくお願いします
  • 「有給休暇の件、ご検討よろしくお願いします
  • 「今年もまた、よろしくお願いします
  • 「集合はいつもの場所でよろしくお願いします
  • 「承知しました、今後ともよろしくお願いします
  • 「息子のこと、よろしくお願いします

日本語の「よろしくお願いします」には、これという決まった英訳がないということを、お分かりいただけたでしょうか? そもそも、「よろしくお願いします」のフレーズを言葉そのまま「英語」にしようとするのは無理があります。だからこそ、各シーンでよく使う定番の英会話パターンは脳に憶えさせてしまうのです。

英語のまま考える「英語脳」とは?

英語で話し、英語で聞き取り、英語で考え、英語で返す

英語脳の人は、いったん英語で会話が始まれば「英語で話し、英語で聞き取り、英語で考え、英語で返す」のサイクルから抜け出すことはありません。日本語から英語に変換して考える時間はほぼなく、会話の流れから頭に浮かんだことを英語でそのまま口に出して話しているのです。

今回、日本人同士がよく使う「よろしくお願いします」を取り上げた理由は、このようなフレーズを「英語でどう言うのだろう?」と考えてしまっている人は、まだ「英語脳」ができていないからです。そして、英語を自然なスピードで話すためには、この「英語脳」が必要不可欠となります。

どうすれば英語脳を鍛えられるか

「英語脳」を鍛えるには、さまざまなシーンの英会話パターンに慣れていく必要がある

スラスラと英語が口から出てくる「英語脳」を鍛えるには、さまざまなシーンの英会話パターンに慣れていく必要があります。すぐに「この日本語は、英語でどういうんだろう?」と考えてしまう癖のある方は、今後、次の3つの方法で「英語との触れ方」を変えていくことをおすすめします。

方法① 英語で流れをシミュレーションする

先の解説でもお伝えしましたが、ビジネスシーンでの初対面の英語も、ご近所付き合いでの初対面の英語も、そのシーンについて英語で検索することで「coversation dialogue」を見つけることができました。あとはその英語ダイアログを実際のシーンと想定して、発音を真似ながら繰り返し発声練習するだけです。

この方法を使えば、自分が英語を使うことを想定したシーンでの英会話の「流れ全体」を、最初から最後まで英語でシミュレーション練習することができ、英語脳を鍛える訓練として効果絶大です。英語では単語よりもフレーズの方が重要とよく言われますが「会話パターン全体を把握すること」はそれ以上に重要です

例えば、グループディスカッションや趣味のサークルで自己紹介をするときの「よろしくお願いします」なら「how to introduce yourself to a group」と検索でき、知らない人と打ち解けて連絡先を交換するときの「よろしくお願いします」なら「how to get acquainted with a stranger」と検索できます。シーンは具体的であればあるほど良いでしょう。

方法② 英会話のロールプレイで訓練する

知り合いに日本語に切り替えずに英語だけで話せる人がいて、英会話のロールプレイをお願いできる場合は、シミュレーション練習の次のステップとして「ロールプレイ」をしてみましょう。英語ネイティブの人である必要は全くありません。とにかく、英語だけですべて会話を成立させることが重要です。

例えば、会社での自己紹介を練習したいのであれば、ロールプレイの相手をしてくれる人に「新しい上司」や「新しい同僚」など、何度かロールプレイをして色々な役になりきってもらいます。繰り返し練習をすると、英語での対応方法を知っているシーンが段々と増えて「英語脳」が鍛えられます。

オンライン英会話を利用している方なら、同じシーンの練習を自信がつくまで何人かの英会話講師と繰り返すこともできますね。もしアドリブをする余裕が生まれてきたら、だいぶ「英語脳」になってきていますよ!

方法③ 実際に英語を使う機会を増やす

さまざまな英会話のシミュレーションやロールプレイを「最初から最後まで英語脳のまま処理できる」ようになったら、ぜひ自信を持って「実際に英語を使う機会」を増やしましょう

いきなり「英語力を活かせる仕事」を見つけることは簡単ではありませんが、英会話カフェなどのイベントに参加したり、ランゲージエクスチェンジやミートアップなどで外国人の友人を作ったり、ボランティア活動に英語を役立ててみたり、英語との接点を増やしていくうちに仕事でのチャンスも増えてきま

実際に英語を使う機会を増やしましょう

以上、いかがでしたか?

この記事を参考にしていただければ「よろしくお願いしますって、英語でどう言えば良いんだろう?」などと考えてしまうことはなくなっていくはずです。話していて分からない英語の言葉が出てくることはあっても、それは質問をすればいいだけですから、もう日本語で話すときと同じように対処できます。

皆さんも「英語脳」を鍛えて、日本語での会話と同じように英会話を楽しめるようになりましょう!

 この記事を書いた人
英会話オンライン編集部

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