今回は、英会話でよく使う “should have 過去分詞 ( = past particle / p.p. )” の意味と使い方をわかりやすく解説していきます。実際に使われる “should have 過去分詞” の英語例文をたくさん挙げますので、日本語で意味を覚えることは避け、ぜひ英語でニュアンスをつかんでください。
例文で見る “should have 過去分詞”
早速、“should have 過去分詞” のよくあるパターンを例文でパパッと見てみましょう。日本語訳も紹介していますが、英語例文に集中して “should have” のニュアンスを感じ取るようにしてください。
- We should have brought sunscreen.
- 日焼け止めを持ってくるべきだったね。
- You should have come yesterday!
- 君も昨日来れば良かったのに!
- Dude, you shouldn’t have done so much for me!
- おいおい、俺のためにそこまでしてくれたのかよ!?
- That scene should have been cut.
- あのシーンはカットされるべきだった。
- Don’t you think she should have called us by now?
- そろそろ彼女から連絡があっても良いと思わない?
- Had he known that, he should have been able to save them.
- 彼がそれをわかっていれば、彼らを救うことができたはずだ。
- If it had been me, I should have fainted.
- もしそれが私だったら、気絶していたでしょうね。
このように “should have 過去分詞” は、その時々で 「少しずつ違うニュアンス」 になります。
よくある日本語訳だけでも 「~べきだった」 「~れば良かったのに」 「~ている頃なのに」 「~ていたはずなのに」 「~ている頃だろう」 「~ていただろう」 と様々な解釈パターンがあることがわかりますね。否定文や疑問文があることも考慮すれば、解釈のニュアンスはさらに増えます。
ですから、「あれ? この “should have” ってどういう意味? 知ってる意味と少し違う気がする」 というようなことにならないよう、英語例文で基本の意味を押さえ、実際の使い方までしっかりマスターしましょう。
“should have 過去分詞” 基本の意味
そもそも “should have 過去分詞” とは 「話し手 (もしくは書き手) が『過去~現在』について思い描いている “should” な状態」 を意味します。別の “should have 過去分詞” の例文を見てみましょう。
- I should have sold it last year.
- 去年のうちに売っておけば良かった。
- You should have told me yesterday!
- どうして昨日、言ってくれなかったんだよ!
- He should have broken up with her at that time.
- 彼は彼女とはあの時に別れておくべきだった。
- She should have arrived to Japan by now.
- 今頃、もう彼女は日本に着いているはずだ。
- If so, everything should have been different.
- そうであれば、すべてが違っていただろう。
どうですか? 1つのある共通点に気付きませんか? あくまで 「話し手が『過去~現在』について思い描いている “should” な状態」 に過ぎないため、どれもこれも 「実際の話」 ではないということが分かります。
この 「実際の話ではない」 「話し手 (書き手) の思い描く過去~現在の “should” な状態」 という2つを、基本的な “should have 過去分詞” の意味として押さえてください。
“should have” の発音
ところで、“should have” の発音は 「シュドゥハヴ」 よりかは 「シュダァヴ」 と繋げるような発音になります。ネイティブはくだけた会話で “shoulda” 「シュダ」 と発音することも多いです(“should’ve” 「シュドゥヴ」 と短縮して書くこともありますが、実際の会話では 「シュダァヴ」 か 「シュダ」 の発音が一般的です)。
当然ですが、“shoulda” も “should’ve” も意味は “should have” と全く同じです。英語例文を読むときは “should have” でも 「シュダァヴ」 や 「シュダ」 の発音で読むように意識してみてください。
“should have 過去分詞” の使い方
基本の意味と英語らしい発音を押さえたうえで、“should have 過去分詞” のよくある使い方をパターン別に見ていきましょう。「前提となるシチュエーション」 と 「主格」 によって、7パターンに分類しました。
定番パターン 1 ~ 3 判明した事実に基づいた “should have”
過去の時点では 「将来どうなるか分からなかったこと」 でも、時さえ経てば 「判明した事実」 となりますよね。そんな 「判明した事実」 に基づいて『あの時にこうしていれば』というふうに “should have 過去分詞” を使うパターンから見ていきましょう。このパターンは、主格によってニュアンスが大きく変わるのが特徴です。
1. 事実+主格一人称:反省 / 後悔 / 自戒 etc.
判明した事実に基づいて、主格一人称で “should have 過去分詞” を使うことはよくあります。
話し手 (一人称) が主格にも一人称を使う場合、自分自身が『あの時こうしていれば』というニュアンスです。否定形なら『あの時こうしていなければ』ですね。つまり、反省 / 後悔 / 自戒 などの意味を伴います。
- I should have told him the truth.
- 私は彼に彼に真実を伝えるべきだった。
- Oh no, we should have left earlier.
- あーあ、もっと早く出れば良かった。
- I shouldn’t have said such harsh things to her.
- なぜ彼女にあんなひどいことを言ってしまったんだ。
2. 事実+主格二人称:助言 / 批判 / 謙遜 etc.
判明した事実に基づいて、主格二人称で “should have 過去分詞” を使うときは少し注意が必要です。
話し手 (一人称) が主格に二人称を使う場合、話し相手に対して『あなた (たち) がこうして (さえ) いれば』というニュアンスになり、助言 / 批判 の意味を伴います。コンテクストや話し手の声のトーンによっても意味やニュアンスは大きく変わり、例えば、怒りながらや泣きながら言うと、伝わる印象はまた違います。
- You should have called the police.
- 警察を呼ぶべきでした。
- 警察を呼べばよかったのに。
- どうして警察を呼ばなかったの。
- You shouldn’t have come here.
- 君はここへ来るべきではなかった。
- 君はここへ来ない方が良かったのに。
- どうして君はここへ来てしまったんだ。
また、否定形の “You shouldn’t have 過去分詞” は、しばしば『そんなことしなくてよかったのに』と助言の意味から発展して 謙遜 / 遠慮 のニュアンスでも使われます。この場合、他の使い方に比べて動詞が省略されることが多くなります。
- You shouldn’t have bothered.
- そんなの気にしなくてよかったのに。
- = わざわざ気にかけてくれてありがとう。
- Really? You shouldn’t have! Thank you!
- 本当? そんなの良かったのに! ありがとう!
3. 事実+主格三人称:感想 / 批評 / 批判 etc.
判明した事実に基づいて、話し手 (一人称) が主格に三人称を使う場合は、その場に (い) ない 「人」 や 「物」 や 「事」 に対して『こうなっていれば』と悔やむニュアンスです。間接的な 感想 / 批評 / 批判 などを意味します。コンテキストや声のトーンでニュアンスが変化するのは、この場合もやはり同じです。
- His parents should have at least talked to him.
- 彼の両親は少なくとも彼と話をしておくべきだった。
- She should have been with him.
- 彼女は彼と一緒になるべきだった。
- 彼女は彼と一緒になった方がよかった。
- どうして彼女は彼と一緒にならなかったのか。
なお、主語が 「物」 や 「事」 の場合、他動詞を伴って受動態 (受身) の文になることが多いです。つまり、形は “should have been 過去分詞 (受身) ” となります。
- My order should have been shipped last week.
- 私の注文は先週、発送されるはずだった (がされていない) 。
“by now” が文末に表れやすいパターン 4 ~ 6 不明/未確定の事に対する “should have”
二つ目の “should have 過去分詞” の使い方は、「近い過去~現在」 について分からないことがあるときに使うパターンです。現時点ではまだ 「不明 / 未確定」 の事に対して『こうなっているはず』という考えを表します。また、このパターンでは “by now” を文末に使うことが多いです。主格を変えて例文を見ていきましょう。
4. 不明+主格一人称:焦燥 / 困惑 / 葛藤 etc.
不明/未確定の事に対して “should have 過去分詞” を一人称 (自分自身) に使う場合、焦燥 / 困惑 / 葛藤などのニュアンスがあります。
- We should have arrived by now. What’s going on?
- 本来ならもう到着しているはずだ。一体どうしたんだ?
5. 不明+主格二人称:確認 / 憶測 / 想定 etc.
不明/未確定の事に対して “should have 過去分詞” を二人称 (話し相手 / 心の中で話しかけている相手) に使う場合は、確認 / 憶測 / 想定 などのニュアンスがあります。目の前に話し相手がいる場合の “You” と、心の中で話しかけている場合の “You” では、微妙にニュアンスが変わります。
- You should have known by now.
- 君はもうわかっているはずだ。
- もう知っていてもおかしくないだろう。
- もう知っていてもいいはずだ。
6. 不明+主格三人称:想定 / 憶測 / 心配 etc.
不明/未確定の事に対して “should have 過去分詞” を三人称 (その場にいない人やその場にはない物事) に使う場合は、想像 / 憶測 / 心配 などのニュアンスになります。
- She should have it done by now.
- 彼女は今頃、それをやり終えているはずだ。
- It should have been delivered by now.
- 今頃は届いているはずなのに (おかしいですね) 。
- そろそろ届いていても良いはずなのですが。
7. 仮定の過去が前提の “should have”
三つ目の “should have 過去分詞” の使い方は 「仮定の過去を前提にした」 パターンで、『もしこうだったならああだっただろう / ああだったはずだ』の『ああだっただろう / ああだったはずだ』を表すのに使います。
この文法は『仮定法過去完了』といわれ、should の代わりに would を使う場合とほとんど意味は同じです。一般的には would か could が使われることが多いですが、確信度が高いときには should も使われます。
- If I had stopped trying, it shouldn’t have worked out.
- 挑戦を辞めていたら、上手くいっていなかっただろう。
- It should have been even worse if he had waited there.
- 彼はそこで待ち続けていたら、もっとひどいことになっていたに違いない。
“should have 過去分詞” の類似表現
英語には “should have 過去分詞” との意味や使い方の違いがわかりにくい 「類似表現」 がいくつかあります。ここでは、代表的な “should have 過去分詞” に似た英語表現を紹介し、それぞれの違いを解説します。
“ought to have 過去分詞”
“ought to have 過去分詞” は “should have 過去分詞” と同じ意味ですが、少し古い文語的な表現になりますので、会話で使うと物凄くフォーマルな話し方に聞こえます。
- You ought to have told me.
- おっしゃってくだされば良かったものを。
また、否定文の “ought not to have p.p.” にしたり、疑問文の “ought I to have p.p. … ?” にしたりすると、ネイティブでさえ堅苦し過ぎると感じます。現代人の非ネイティブが使うと、不自然になってしまいます。
- I ought not to have continued.
- 続けるべきではございませんでした。
- Ought I to have told you, Mr. Parker?
- Mr. パーカー、あなたにお伝えすべきだったかしら?
一般的に英会話で “ought to have” を使う必要はなく、“should have” を使う方が良いでしょう。
“be動詞 [過去形] supossed to”
“be supposed to … ” のフレーズは 「あるべき状態とは別にある現実」 を表現するフレーズでしたね。意味や使い方は以前の記事で紹介しているので、詳しくは以下を参考にしてください。
過去形の “was/were supposed to … ” も 「~すべきだった」 や 「~のはずだった」 になりますが 、“should have 過去分詞” との違いは 「~すべきだった」 「~のはずだった」 という『あるべき状態』が、規則や習慣などからイメージされることです。話し手自身がそのように思い描いているわけではありません。
つまり、自分が主体的に『これは “should” だった』と考えるなら “should have” を使いましょう。対して、ただ単に 「周りや世間の期待がこうだった」 というなら “was/were supposed to … ” を使いましょう。
- I should have been there at 7 pm, but I couldn’t make it.
- 午後7時に行くべきだったのですが、間に合いませんでした。
- I was supposed to be there at 7 pm, but I didn’t go.
- 午後7時に行くべきだったのですが、私は行きませんでした。
“had better have 過去分詞”
これは “should” と “had better” の違いがそのまま過去形になるだけです。“had better have 過去分詞” は “should have 過去分詞” よりも強い響きのある 「~すべきだった」 になります。
特に、「過去に助言や忠告があった」 「直感でそうすべきと感じていたのにそうしなかった」 場合に使います。
- They had better have followed all the rules.
- 彼らはすべてのルールに従っておくべきだったのだ。
- I‘d better have trusted myself and continued my way.
- 自分のことを信じて己の道を進み続けるべきだった。
“should have 過去分詞” まとめ
今回は、英会話でよく使う “should have 過去分詞 ( = past particle / p.p. )” の意味と使い方をわかりやすく解説しました。実際によくある “should have 過去分詞” の英語例文と日本語訳も豊富に見ることで、英語の正しいニュアンスと使い方を理解できたのではないでしょうか。
同時に “ought to have 過去分詞”、“was/were supposed to … ”、“had better have 過去分詞” との違いも理解できるようになると、英会話での表現力はぐんと上がります。
“I should have followed their advice at that time!” と後悔しないよう、ぜひ皆さんも記事を読み返したり自分で例文を作ったりして “should have 過去分詞” のニュアンスと使い方をマスターしてくださいね!