英語で話していて「もしよければ~」や「もしよろしければ~」と言いたいとき、カジュアルなシーンでは「もしよければどうぞ」「もしよければ食べて」などのセリフ、ビジネスでは「もしよろしければぜひ~」「差し支えなければ~いただけますか」などがありますが、これはどんな英語にすれば良いでしょう?
今回は、これらの表現をネイティブが英語でどう言うのか、例文とともにご紹介します。
1. 前向きな「もしよければ~」の英語
日本語でよく使う「もしよければ〜」のフレーズですが、実はこの表現は2つのニュアンスを持っています。英語での例文と解説を見ていく前に「もしよければ~」にある2つのニュアンスを確認しておきましょう。
- 前向きな提案のもしよければ〜
- 少し後ろ向きな確認のもしよければ〜
前向きな提案の場合は「もしご希望があれば」や「もしご興味があれば」に近くなり、少し後ろ向きな確認の場合は「もし可能であれば」や「もし支障がなければ」のニュアンスに近くなります。
それでは、「1. 前向きな提案のもしよければ~」の英語表現をご紹介します!
1-1. if you want
前向きな提案の「もしよかったら〜」や「よければ〜」をカジュアルな英語で表現すると “if you want” が便利です。直訳すると「もしお望みなら」というニュアンスになります。
- Take one, if you want.
- よければ、おひとつどうぞ。
1-2. if you like / if you’d like
前向きな提案の「もしよろおしければ~」を英語にした “if you (would) like” は、カジュアルにもビジネスにも使うことができ、主に会話の中で登場します。
- If you like, you’re welcome to stay for dinner.
- もしよければ、ぜひ夕食を食べていってください。
なお、“if you like” には would をつけることでより丁寧な文章になります。“you’d” は “you would” を略した表現ですが、話し言葉にすることで堅苦しさを減らすことができます。
- If you’d like, send us a message and we can answer you with more details.
- もしよろしければ、メッセージをお送りください。そうすれば、より詳細にお答えできます。
1-3. Would you like (to) …
前向きな提案の「もしよければ〜」の英語表現として、もう1つ “Would you like (to)…” も使えます。
- Would you like to take a break?
- もしよければ、休憩を取りましょうか?
- Would you like some coffee?
- もしよろしければ、コーヒーはいかがですか?
お店で店員さんに食べ物だけを注文すると、ドリンクを勧められることがあります。この場合、いらないのであれば “No, thank you.” と伝えましょう。“Yes.” や “Good.” と言うと、コーヒーをつけてくれますよ。
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2. 後ろ向きな「もしよければ~」の英語
ここまで前向きな提案の意味を持つ「もしよければ」の英語表現を説明してきました。次は、少し後ろ向きな「もしよろしければ〜」の英語表現を学びましょう。
丁寧にお願いするような表現になるので、相手の気持ちを気遣うことがポイントになります。
2-1. if it’s okay (with you)
少し後ろ向きな確認の「もしよければ~」の英語表現として万能に使える “if it’s okay (with you)” は、直訳すると「もしそれが、あなたにとって大丈夫なら〜」となります。
Okay は日本語でもおなじみの「オッケー(OK)」ですが、日本人の使う OK とネイティブの使う OK では、ニュアンスに少し違いがあるかもしれません。例文で確認してみましょう。
- If it’s okay, can I borrow your book?
- もしよければ、あなたの本を貸してくれませんか?
- If it’s okay with you, let’s schedule a meeting tomorrow morning.
- もしよろしければ、明日の午前中に打ち合わせをしませんか。
上の例文のように、英語の「OK」は相手を気遣って「大丈夫?」のニュアンスで使われることが多いです。日本人は「OK」の意味を「いい状態」と理解しているかもしれませんが “It’s OK.” のような返し方をすると「そこまで納得してないのかな?」と捉えられますので、注意して返事しましょう。
2-2. if you don’t mind
“if you don’t mind” は少し後ろ向きな「もしよければ」の表現として最も分かりやすいです。直訳すると「もしあなたが気にしないなら」となり、様々なシーンで活用できるとても便利なフレーズです。
なお、状況によっては「もしよろしければ」を「差し支えなければ」と訳すこともできます。
- If you don’t mind, I’ll go with you.
- もしあなたがよければ、わたしも一緒に行きます。
- I’d like to know the reason, if you don’t mind.
- もしよろしければ、理由をお聞かせください。
- If you don’t mind, would you be able to come to our office?
- もし差し支えなければ、私たちのオフィスにおいでいただけませんか?
2-3. if it doesn’t bother you
少し後ろ向きな確認の「もしよろしければ」は、日本語でも「もしご迷惑でなければ」などと言い換えることができます。英語にもこのような表現があり “if it doesn’t bother you” はその1つです。
- Can you give him a call, if it doesn’t bother you?
- もしよろしければ、彼に電話をして貰えますか?
2-4. if it’s not too much trouble
この “if it’s not too much trouble” の英語表現も、後ろ向きな確認の「もしよろしければ」です。控えめに「ご迷惑でなければ」「差し支えなければ」のニュアンスを出したいなら、便利なフレーズです。
- Of course, if it’s not too much trouble for you.
- もちろん、もしあなたがよろしければの話ですが。
2-5. if (it’s) possible
少し後ろ向きな「もしよろしければ」は、シンプルに “if (it’s) possible”「もし可能であれば」で表現しても構いません。先方にとって可能かどうか分からない場合に、便利な表現です。
- If it’s possible, please let me know where I can get it.
- もし可能であれば、どこで入手できるか教えてください。
- If possible, could you send us some screenshots?
- もしよければ、スクリーンショットを送っていただけますか?
3.「もしよければ~」を英訳しない英語
「もしよければ〜」や「もしよろしければ〜」の表現をご紹介してきましたが、日本語のフレーズから英語に翻訳することにこだわる必要はありません。英語ではもっと率直に相手に伝える方法があるからです。
3-1. Do you want (to) … ?
“Do you want (to) … ?” を使って、相手への気遣いを表現してみましょう。一見すると「〜したい?」や「〜欲しい?」と言った冷たいニュアンスに聞こえそうですが、シーンによっては丁寧に提案するフレーズになります。日本語の「もしよければ~」は英語で何というか?と考えるより、遠慮せずに話しましょう。
- Do you want me to take a picture of you?
- (もしよければ)私が写真を撮りましょうか?
3-2. You’re welcome to …
この “You’re welcome to …” は「あなたがどう思っているか分からないけど、もしあなたが~したいなら喜んで!」と伝えるフレーズです。これは、言い換えれば「もしよければ~」と同じ意味になります。
- You’re welcome to try.
- (もしよければ)お試しください。
もちろん “if you want” や “if you like” で表した方がより丁寧になる場合もありますが、英語においては必須ではないということです。違和感が出てしまうくらいなら、ストレートに伝えた方が良いでしょう。
似たような表現として “Feel free to …” や “Don’t hesitate to …” なども同じように使えます。
- Feel free to take one.
- (もしよければ)おひとつどうぞ。
- Don’t hesitate to try it.
- (もしよければ)お試しください。
3-3. Could/Would you please … ?
会話中に「お願いをするにはどう伝えればいいんだっけ」と困ってしまったら “Could you please … ?” と簡単なフレーズでも大丈夫です。ただ、これまでに紹介してきたフレーズと比べると丁寧さは劣りますので、状況によって使い分けましょう。
- Could/Would you please try to consider it?
- (もしよければぜひ)検討して貰えますか?
「もしよければ〜」の英語まとめ
今回は「もしよければ〜」や「もしよろしければ〜」をネイティブがどのようなフレーズで表現するか、解説しました。英語で上手に伝えるには、日本語に2つのニュアンスがあることを覚えておきましょう。
本文では「もしよければ~」のフレーズは “必ずしも英語へ翻訳する必要がない” とも述べましたが、2つのニュアンスで考えれば、今回ご紹介した英語フレーズは以下のようにまとめることができます。
◆ 前向きな提案の「もしよければ~」
- if you want
- if you like
- if you’d like
- if you would like
- Would you like (to) … ?
- Do you want (to) … ?
- You’re welcome to …
- Feel free to …
- Don’t hesitate to …
◆ 少し後ろ向きな確認の「もしよければ~」
- if it’s okay (with you)
- if you don’t mind
- if it doesn’t bother you
- if it’s not too much trouble
- if possible
- Could/Would you please … ?
今回もたくさん英語表現をご紹介しましたが、この全てを使いこなすことができれば、英語の表現力も大幅に広がるのではないでしょうか? レパートリーを増やして、さらにレベルアップを目指しましょう!