英語の have been(be 動詞の過去分詞形)には「現在完了形」と「現在完了進行形」の2つがありますが、この have been の意味と使い方を理解し、発音方法をマスターすれば、英会話はぐっと身近になります!
Wikipedia を見ても 英語で最もよく使われる動詞 で1位が be 動詞、2位が have となっており、その2つを組み合わせた have been は「日常英会話」から「ビジネス英会話」まで幅広いシーンで使われています。
そこで今回は、have been の解説用に分かりやすい英語例文をたくさん用意しました。また、ネイティブの英語に近づくための発音のコツもご紹介します。この機会にぜひ have been をマスターしましょう!
have + been の最もよくある使い方は継続用法
have + been の文法的な説明をしているサイトや参考書はたくさんありますので、分かりやすく結論だけを言いましょう! have + been の最もよくある使い方は「過去から現在までの継続用法」です。現在完了形の特定のパターン(記事の後半で解説しています)を除けば、あとは細かな違いを気にする必要はありません。
もちろん、厳密に言えば「現在完了形の継続用法」と「現在完了進行形」にも意味の違いはあります。でも、実際に英語を話すときはそこまで文法を気にすることもありません! まずはたくさんの英語例文を見ながら、それぞれの「過去から現在まで継続しているイメージ」を思い浮かべてみてください。
継続を意味する have been の例文集
まずは、継続を意味する have been が使われた例文を「基礎編」と「応用編」に分けてご紹介いたします。特に「基礎編」のフレーズは本当によく使われるものばかりを選びましたので、そのまま覚えてOKです。
★継続用法の have been 基礎編
- It‘s been a long time!
- 久しぶりですね!
- I‘ve been very busy lately.
- 最近はとても忙しかったんだ。
- You‘ve been so kind to me.
- あなたは本当に親切にしてくれました。
- She‘s been waiting for you.
- 彼女はあなたのことをずっと待っていたのです。
- He‘s been in Tokyo for two weeks now.
- 彼はもうかれこれ2週間ほど東京にいます。
- We‘ve been watching TV for almost 5 hours.
- 私たち、もう5時間ほどテレビを見てるよ。
- They‘ve been talking for hours.
- 彼らはもう何時間も話し続けている。
どれが「現在完了形」で「現在完了進行形」などは深く考えず、何度も繰り返して口に出してみてください。まずは have + been が意味する「現在まで継続しているイメージ」を掴んで話せることが大事です。また、英語の意味も “一語一句” 日本語に直訳するのではなく、イメージで理解したことを意訳してみましょう。
★継続用法の have been 応用編
have been の基本的な意味と使い方が分かったら、今度は「応用編」にもトライしてみましょう。名詞節が長くなったり、疑問文になったり、have been が文の途中に出てくるようになります。
- What have you been doing today?
- 今日は(今まで)何をしていたの?
- Have you been cleaning this room all day?
- 一日中この部屋を掃除していたの?
- Jack and Suzy have been married for 20 years.
- ジャックとスージーは結婚して20年になります。
- Your advice has always been helpful to me.
- あなたのアドバイスがいつも私の助けになっています。
- I didn’t know that he‘s been absent these days.
- 最近、彼が休んでいるなんて知らなかった。
- How long have you been dating him?
- 彼とはいつから付き合ってるの?
- Why couldn’t you tell me the door has been opened?
- どうしてドアが開きっぱなしってこと教えてくれなかったの?
the door has been (being) opened では、受動態の現在完了進行形で being が省略されている可能性もあり、文法的な「現在完了形」と「現在完了進行形」の違いを気にすることに意味がないと分かります。また日本語に訳すにも、文法的にどちらかを判断する必要はありません。意味は「現在までの継続」で同じです。
have been の省略形と発音方法
学校で英語の文法を習うときや、穴埋めテストなどでは、分かりやすいように have been や has been と省略せずに書かれますが、実際の会話では I’ve been や She’s been などの省略形が使われます。
- She’s been sleeping like a baby.
- 彼女は赤ん坊のようにぐっすり眠っている。
また、はじめに「have は英語で最もよく使われる動詞2位」と説明をしましたが、have + been は本当によく使われる組み合わせですので、以下の省略形の発音方法は必ずマスターしておいてください。
- I‘ve been(I have been)
- 「アイ ハヴ ビーン」ではなく「アイヴィーン」
- You‘ve been(You have been)
- 「ユー ハヴ ビーン」ではなく「ユーヴィーン」
- It‘s been(It has been)
- 「イットゥ ハズ ビーン」ではなく「イッツヴィーン」
このような英語独特の発音方法は「リンキング」と呼ばれ、“Got it!”(了解の意味)を「ゴット イット」と単語1つずつ発音せず「ゴディッ」と発音するのが分かりやすい例です。
have been を含むもう1つの例文として、よく使われる次の英語フレーズを見てみましょう。
- I‘ve been looking forward to seeing you.
- あなたにお会いできるのを楽しみにしていました。
どうですか? 「アイヴィーンルッキンフォワートゥシーインユー」と発音ができましたか? 省略形の部分に限らず、単語と単語の繋ぎ目でも「リンキング」をさせると、よりネイティブっぽく聞こえますよ!
補足1.have been to + 場所の意味 次によく使う「経験/完了用法」
ここから、have + been が継続用法の次に最もよく使われるパターンをご紹介しておきます。中でも1つのパターンとして確立しているのがこちら。用法は to の後ろに入る目的語によって変わります。
- have been to ~
- ~へ行ったことがある/~へ行ってきたところだ
前者の日本語訳が「経験用法」で、後者が「完了用法」になります。
★完了用法の have been to ~
まず、完了用法は「学校や職場など普段からよく行く場所」が入ることが多いです。しかし、別のシンプルな言い方も可能ですので、完了用法は1つの言い回し方として知っておく程度で構いません。
- I‘ve just been to the post office.
- 私は今ちょうど郵便局に行ってきたところです。
- ≒ I’ve just come back from the post office.
- ≒ I went to the post office and came back just now.
★経験用法の have been to ~
もう1つ経験用法の「have been to + 地名」もぜひ覚えておきましょう。特に初対面の人と話すときなどにとてもよく使う表現になります。お友達同士でのスモールトークなどでも、大いに活躍するでしょう。
- I‘ve been to New Zealand twice.
- ニュージーランドに2回行ったことがあります。
been の後に「to + 国名」が続く場合、簡単に経験用法の現在完了形と分かります。また、継続を意味する場合の have been と比べると、これまでの人生すべての経験を示す ever, never といった単語、それから経験回数を伝えるための once, twice, three times… がよく一緒に使われるのも特徴です。
国・地名など「どこか遠い場所」の他には「観光名所」や「新しい場所」について話すときも使えます。
- Have you ever been to France?
- フランスに行ったことはありますか?
- No, I‘ve never been to France.
- いいえ、フランスには行ったことがありません。
- But I‘ve been to Europe many times.
- ですが、ヨーロッパには何度も行ったことがあります。
補足2.受動態の現在完了形の使い方日本語からの英語直訳は要注意
受け身表現の受動態(be動詞 + 過去分詞形)を現在完了で表す場合も have + been を使いますが、これは「have been(be動詞の過去分詞)+ 過去分詞形」と遠回しで複雑な形になってしまいます。
ですから英語では通例、主語と目的語を入れ替えてシンプルに過去形で言い表すことが多いです。とりわけ、会話(口語)では特にその傾向が強くなるので、受動態は受動態でしか表せないとき以外は避けましょう。
- Today’s meeting has been cancelled.
- → We cancelled today’s meeting.
- 今日の会議はキャンセルされました。
- Another scandal has been reported by NHK today.
- → NHK reported another scandal today.
- 今日、新たなスキャンダルがNHKにより報道されました。
もちろん、次のように受動態の過去完了形でしかニュアンスを表現できないケースもありますが、記事前半で最もよく使われる用法としてご紹介した「継続用法の have been」と比べると使用頻度はかなり低いです。
- I‘ve never been bitten by a dog.
- 私は犬に噛まれたことはありません。
受動態の現在完了を使えるようになって損はありませんが、英語基礎をマスターするための優先度としては、やはり「継続を意味する have been」を使いこなせるようになる方が高いと言えます。
have been の意味と使い方はこれで完璧!
今回は、英語の基礎《have been》の意味と使い方をご紹介いたしましたが、いかがでしたか?
よく使われる「継続」を意味する使い方は「現在完了形」か「現在完了進行形」かの違いを気にせず、実際の英会話で「リンキング」を意識した have + been の発音に慣れていくことをおすすめします。
また「have been to + 場所」の形で登場する「経験用法」と「完了用法」の have been も、会話でよく使われる表現です。ぜひ合わせて覚えておきましょう。今回の記事でご紹介した例文に加え、一度ご自身でも《have been》を使った例文をつくってみてください。そうすれば、きっとすぐに慣れるはずです。
皆さんがスラスラと英語を話して「英会話が得意な自分」を手に入れるための参考となれば幸いです。