小学校が英語教育に力を入れるようになった昨今、幼稚園や保育園も英語教育を取り入れ始めてきています。既に英語教育を導入している幼稚園や保育園では、どのように英語を教えているのでしょう? そして話題の「プリスクール」との違いも比較検討しておきたいところですよね。
私は幼児期の英語教育に従事してきました。そんな筆者の視点から「幼稚園や保育園」と「プリスクール」の英語教育について、それぞれの特徴 (メリット・デメリット) や選ぶための基準をわかりやすく説明します。
幼稚園や保育園における英語教育
2020年からは小学校での英語が必修となり、幼稚園や保育園でも英語活動を導入する動きが加速しています。ではなぜ今、早い時期からの英語教育が大切とされているのでしょうか?
幼稚園や保育園の英語教育の目的
英語教育を導入している園の中でも 「英語教育の程度」 に違いはありますが、一般的に、幼稚園や保育園では 「英語への抵抗感が少ない幼児期に英語に慣れ親しんでおくこと」 が目的とされています。
ただし、小学校のように必須ではありません。幼児期から子供に英語教育を受けさせるかどうかは、基本的に保護者の判断に委ねられています。
幼稚園や保育園の英語教育の導入割合
ベネッセ教育総合研究所が2018年11月~12月に行った 「第3回 幼児教育・保育についての基本調査」 の結果によれば、国公立幼稚園で英語活動を導入している園が 「26.1%」 なのに対し、私立幼稚園では 「62.4%」、私営認定こども園では 「66.4%」 となっています。
※図表引用 「第3回 幼児教育・保育についての基本調査」
3歳児、4歳児、5歳児によっても実施割合は違い、私立においては 「5歳児の95%以上」 が何らかの英語活動を実施しているとのことです。
保育施設で働いてきた私の肌感覚でも、やはり、他園と差を付けたい私立幼稚園や私立保育園、託児所などが積極的に英語教育を導入しているケースが多いです。
誰が英語教育をしてくれるのか
では、英語教育を導入している保育園や幼稚園では誰が英語を教えているのでしょう。保育士も日本人なのにしっかりと英語を教えられる人はいるのでしょうか。
調べてみると、中には留学経験のある保育士さんが英語教育を担当している園もあります。ただし、約90%は地元や大手の英会話教室に外部委託して 「児童英語講師 (外国人を含む) 」 を派遣しています。
どんな英語カリキュラムなのか
幼稚園や保育園の子供たちは 「机に座っての勉強」 はできません。
そのため、英語の歌、手遊び、フリップを使った季節・曜日・月などの単語、絵本、ゲーム、フォニックスのイラスト、リトミックと呼ばれる音楽に合わせて体を動かすリズム遊びなどを用います。目や耳で理解して、楽しみながら英語に触れられるようなカリキュラムで英語に親しみます。
英語教育は週に何時間くらいか
年齢や契約している会社によっても違いますが、ECCの正課英語カリキュラムを例にすると、年間20~40回のレッスンプラン (2週間に1回のペース) で1回あたり30~40分のレッスンをしているそうです。
また私の住んでいる市の私立幼稚園では、外国人講師の方が常駐していて毎日1日中子供たちと一緒に生活をするところもあります。毎日ネイティブの英語に触れられるのはいいですよね!
幼稚園や保育園を選ぶメリット
1番のメリットは「幼児教育・保育の無償化」の対象であることです。無料ですから、家計にとっても大きな助けとなります。今まで払っていた保育料をオンライン英会話などに回すこともできちゃいますね。
また、仲良しの友達と一緒になりやすいのもメリットです。英語を習い始めるとき、子供たちも緊張します。でも仲良しの友達と一緒ならハードルは下がり、友達がいることで継続する力にも繋がっていきます。英語に触れるとき、子供たちは 「慣れ親しんだ環境」 の方がリラックスできますから、英語の吸収力も高まります。
プリスクールにおける英語教育
ここまで幼稚園や保育園における英語について話をしてきましたが、最近では『プリスクール』も人気です。幼稚園や保育園の 「英語活動」 とは何が違うのか、そして 「インターナショナルスクール」 との違いについても知っておきましょう。
プリスクールとは
日本におけるプリスクールとは、主に日本人の未就学児が英語を習得するためにカリキュラムや教育を英語で受けられる施設を指します。小さいうちは日本語と英語を混ぜながら生活を安定させ、大きくなればなるほど英語の比率が増えていきます。
プリスクールは生活のほとんどを英語で行うため、子供はストレスを感じずに英語を習得できます。さらに、幼い頃から日本とは異なる文化や考え方に触れられる施設になっています。
日常的なリスニングやスピーキング、コミュニケーション、イマジネーション、ライティング、数学や化学についてのかんたんな学習、体育など、保育園や幼稚園では触れられない英語に触れられるのが特徴です。
プリスクールに通わせるメリット
1番のメリットは英語に触れあう時間、経験量が幼稚園や保育園に比べて圧倒的に多いことです。
英語を習得するには2,000時間必要とされていますが、プリスクールに9:00~14:00まで月に20日間通わせたとしたら、1年8か月でこの2,000時間をクリアできてしまいます!
幼児期だけで英語の習得時間を十分確保できれば、大きくなってから英語を勉強する時間が減り、他の教科や活動に時間を充てることだってできますね。
プリスクールは料金が高い!?
プリスクールでは月額8万円前後 (プラス入学金等) の費用が掛かります。認可外保育施設も無償化の対象には入っていますが、幼稚園や保育園のように無料になるわけではなく 「無償化の上限額」 が設定されています。
英語を学ぶ最高の環境がプリスクールには整っていますし、費用面でも以前より通わせやすくなりましたが、それでも 「月に約5万円の出費」 となると少し悩みどころではありますね。
そんな方には、Global Step Academy という『オンライン・インターナショナルスクール』もおすすめです。日本の教育を受けながらオンラインで英語教育が受けられ、料金もプリスクールと比べると随分お手頃です。ネイティブ講師が子供の能力に合わせマンツーマン指導してくれるのも大きな魅力です。
余裕があれば、プリスクールに通わせながら家では週に2~3回くらい Global Step Academy のコースを追加で受けさせるというのも良いですね!
イマージョン教育についての理解を
プリスクールに通わせたり、オンライン・インターナショナルスクールのコースを受けさせたり、幼少期から英語教育を行うことは良いことですが、こういった 「イマージョン教育」 について理解もしておきましょう。
プリスクールに通わせる際の注意点
さて、プリスクールの定義や概要は理解していただけたかと思いますが、もう1つ注意したい点があります。それは『園によって教育方針や理念が違う』ことです。
プリスクールなので 「英語で教育する」 ことは共通しますが、その教育理念は『グローバルな人材を』『感性豊かに育てる』や『コミュニケーション能力を高める』など様々で、スクールごとに特色があります。
気になるプリスクールを見つけたら『経営理念』をしっかりと読んで理解することが大切ですね!
今回のまとめ
今回は 「幼稚園や保育園」 と 「プリスクール」 の英語教育について、それぞれの特徴 (メリット・デメリット) や選ぶための基準をお伝えしました。どちらか1つを選びきれない場合には、日本の義務教育を受けさせながら オンライン・インターナショナルスクール のコースを受けさせる選択肢もありましたね。
なお、幼稚園や保育園の選び方も大切ですが、家庭での英語教育も同様に大切です。こちらは以前に紹介した記事がありますので、ぜひ合わせて参考にしてください。
これから先のグローバル時代を生き抜くためには、私たちが思っている以上に『英語』というスキルが必要になってきます。どんな形であれ、英語に触れられる環境を整えていってあげてくださいね!