小学生の子供に英語をうまく勉強させる方法の秘訣とは?

一昔前と違い、日本人の家族が海外に暮らすことは、そんなに珍しいことではなくなりました。皆さんの周りにも、海外駐在中あるいは過去に経験があるという方は少なくないのではないでしょうか? かくいう私も、海外移住に憧れ日本を飛び出してから早4年。自分たちだけが特別と感じることはありません。

とはいえ、いつの時代もやはり気になるのは子供の語学環境。現地の学校やインターナショナル・スクールに通わせる場合、親は(ちゃんと授業についていけるだろうか?)(学校の先生や友達とコミュニケーションは出来るだろうか?)とあれこれ考え、心配は尽きません。

一方、巷でよく聞くこんな話があります。

「子供は脳がやわらかいから外国語を覚えるのが早い!」
「現地に行ったら、あっという間に英語を話せるようになった!」

そう。私が4年前に小学生の子供を連れて海外移住をしたのも、そんな「話」が現実に起きることを期待してのことでした。今回は、そんな私の子供たちが「実際に」どうやってバイリンガルになったのか? そのことについて、家庭での取り組みも振り返りながら書いてみたいと思います。

英語は嫌い!なんて言ってられない自覚の芽生え

積み重ねられた子供向けの英語の絵本

現地に到着した時、息子たちは10歳と12歳。その頃、日本の小学校でも英語教育が導入されていたとはいえ、授業内容は「遊びながら英語に慣れ親しむ」程度でした。しかも、小学校での授業をきっかけに英語へ興味を持つ子供が割と多い中、私の息子たちはあいにく英語が嫌いだったのです。

ですから、まともに英語での読み書きをした経験などないどころか、会話にいたっては定型の挨拶が辛うじて出来るかどうかというレベルでした。

しかし、外国に住むことになった以上、さすがに「もはやそんな事は言ってられない! 何とかしなきゃ!」という自覚が子供にも芽生えました。実はこれ、子供に英語を学習させるうえで、最初に必要なとても大事なステップなのではないでしょうか? 少なくとも、私の子供たちは、日本に居たままではあのような危機感を持って必死に英語を勉強したりはしていなかったでしょう。

スタートはアルファベットから

まずは、アルファベットから始めるレベルでした。それもbとdを間違えるレベル! とはいえ、この辺りは日本語の50音同様、何度か繰り返せば覚えてしまうものです。それほど苦労はしませんでした。

ですから、もしこの時点でお子様が苦労していたら、「英語を習うことが必要なんだ!」という自覚が本人にしっかり芽生えているかどうかを再確認してみてください。例えばですが、無理に英語の教材を買い与えたり英会話教室に通わせたりするよりも先に、同年代の外国人の友達を作らせる方が効果的かも知れません。

そうすれば、アルファベットくらいはきっと簡単に覚えるでしょう。

英語の読み取りに挑戦!

小学生は英単語の暗記より読み方を覚えるべき!

次に覚えるべきは英単語ですが、数は膨大です。どこから始めるか…? 私が足掛かりにしたのは、子供向けの英語学習教材として日本でも定評のある 『Oxford Reading Tree (ORT)』絵本シリーズ「The Magic Key」(Roderick Hunt 作/Oxford University Press 発行) でした。あの、魔法の鍵を手にした3人の子供たちが、時と場所を越えて冒険を繰り広げる話ですね!

さあ、早速絵本を広げて音読をします! もちろん読めません! けれど、知っているカタカナ語/外来語はありますよね? 一語一語、声に出して単語をたどって行きます。はじめは読み方が分からなくても焦らないことが大事。なぜなら、一つ一つ読み方を習う必要があるのは、英語学習を始めた初期の頃だけだからです。

私たちも、中学英語から高校英語へと学習を続けているうちに、いつの間にか「読み方の法則」が身に付き、初めて見た英単語でも読めるようになっていったのではなかったでしょうか? 小学生の子供たちも、音読を続けていくと「いつの間にか」読み方の法則をマスターして自在に英語を読めるようになります。

また、勉強方法として Oxford の絵本を教材に選んだ点は、結果的にとても良かったと思います。子供たちがストーリーに興味を持って読んでくれたことと、視覚から入るイメージで脳に情報をインプットできたことの意味は、やはり大きかったように感じます。

  • 著者:Roderick Hunt
  • 出版社:Oxford University Press
  • 出版日:2008/01/10

今回のまとめ

子供が「英語の必要性」について【自覚】を持つことが大前提なのは、言うまでもない事実です。その自覚を強固なものとするためには、必要に迫られる環境に身を置くというのも大変重要なことと言えましょう。日本にいながらでも、同年代の英語を話す友達を積極的に作るなど工夫をすれば、効果はありそうです。

一方、親としては「言葉の遅れは勉強の遅れ」と思い焦ってしまいやすいものですが、物事を成し遂げるのに最低限必要な時間というのはあるものです。最初は分からなくても、続けていくうちに自然と解ってくることがたくさんあります。その事実を心に留めておくのも、親子双方にとって大事なポイントでしょう。読み方が分からない単語が多くても、はじめのうちは、1つ1つ丁寧に読み方を確認していくと良いと思います。

次回は、今回は話しきれなかった「いかにして小学生に英語の文法を理解させたか」についてお話しますね!