会社に通勤せず 「テレワーク」 や 「在宅勤務」 をすることは、英語で何と言えば良いのでしょうか? 英語で 「テレワーク」 は “telework” と書きますが、実際によく使われる表現なのかどうかが気になりますよね。
そこで今回は、ネイティブの使う 「テレワーク」 や 「在宅勤務」 の英語表現を紹介します!
まず 「テレワーク」 は英語で使うか?
英語で 「テレワーク」 は “telework” と書きますが、英語ネイティブがよく使っている表現だとは言えません。コンテクストや文脈で考えれば 「意味が通じない」 ということはないですが、正直あまり使われません。
というのも、“telework” という言葉自体はインターネットが普及するより前からあったものの、その当時は概念だけが進み過ぎていて広く理解されなかったからです(今後、使われる機会は増えるかもしれませんが、その場合は 「様々なタイプのテレワークの総称」 としての使い方になるような気がします)。
なお、英語における “telework” はあくまで動詞であり、本来の使い方としては次のようになります。
- I telework on occasions.
- 時にはテレワークもします。
- I’m teleworking on next wednesday.
- 来週の水曜日はテレワークをします。
「テレワーク」 よりは 「テレワーキング」
一方、「テレワーク」 を名詞として使うときの英語表現は “teleworking” や “telecommuting” になります。このように、英語では 「テレワーク」 より 「テレワーキング」 の形で名詞として使うことの方が多いです。
- What do you think about teleworking?
- テレワークについてどう思われますか?
- Telecommuting allows employees to work from home.
- テレワークにより、従業員は自宅から仕事をすることができます。
“telework” と “telecommute” の違い
さて、“teleworking” と “telecommuting” の違いについてですが、“telecommuting” の単語を使うのは、そのテレワークを行うことの意義やメリットが 「通勤距離・通勤時間をなくすこと」 にある場合です。
日本は満員電車での通勤、アメリカは車での長距離通勤が問題になることが多いですね。その解決策としてのテレワークであれば “telecommuting” という方がしっくり来るというわけです。
とはいえ、そもそも英語では “teleworking” の表現が一般的ではないため、英語ネイティブが 「テレワーク」 「在宅勤務」 にあたる表現として実際に使っているフレーズや単語は、以下で紹介していきます。
在宅勤務の 「テレワーク」 の英語表現
Work from home
「テレワーク」 でとりわけ『在宅勤務』を表したいときは “Work from home” の英語表現がよく使われます。日本語に直訳しても 「家から働く」 ですから、「在宅勤務」 そのままの意味でわかりやすいですね。
- I feel I have a better work-life balance ever since I started working from home.
- 在宅勤務をするようになってから、ワークライフバランスが良くなったと感じています。
WFH の意味は “Work From Home”
在宅勤務という意味で “WFH (Work From Home)” の略語が使われることもあるので、覚えておきましょう。
- He just started a full time WFH job last week.
- 彼は先週、正社員で在宅勤務の仕事を始めたばかりです。
Work from home と Work at home の違い
ここで、“Work from home” と “Work at home” は違うの? と疑問を持たれる方もおられるでしょう。
この二つには微妙なニュアンスの違いがあり、オフィスへ通勤して働いている人が 「在宅勤務」 をする日には “Work from home” が適していて、“Work at home” は単に 「家で働く」 の意味となります。
例えば、新型コロナによる働き方の変化が加速していますが、「テレワークの実施」 が促進されるよりも前から家で働いていた人にとっては、別に 「通勤せずに家から働く」 という感覚などないわけです。
- As I always work at home, nothing has changed.
- いつも家で仕事をしているので、何も変わっていません。
このように、“Work at home” は 「テレワーク」 や 「在宅勤務」 というニュアンスが薄くなるということです。とはいえ、「テレワーク」 や 「在宅勤務」 を表せない『間違った英語』というほどではありません。
場所にとらわれない 「テレワーク」 の英語
テレワークはテレワークでも、「在宅勤務」 ではなく『どこからでも働ける』というニュアンスを英語にしたい場合もありますよね。そんなとき、英語ネイティブたちは次の英語表現をよく使います。
Work from anywhere
場所にとらわれない 「テレワーク」 は英語で “Work from anywhere” また “Work anywhere” と言うことができます。
- The best part is that you can work from anywhere in the world.
- 一番いいところは、世界中どこからでも仕事ができるということです。
WFA なら “Work From Anywhere”
次に、WFH と同じように WFA も “Work From Anywhere” の略語として使われています。英語ではいわゆる 「在宅勤務の対語」 として使われているので、ニュアンスとしては 「どこでも勤務」 という感じでしょうか。
- Prepare for the upcoming shift from WFH to WFA.
- 来たる 「在宅勤務」 から 「どこでも勤務」 への移行に備えよ。
Remort work / Work remotely
働く場所にとらわれない 「テレワーク」 は、英語で “Remote work” あるいは “Work remotely” と言うこともできます。こちらは、日本語でも 「リモートワーク」 という言葉があり、皆さんも既にお馴染みですね。
ただし、“Remote work” というと 「常に離れた場所で働いているイメージ」 を伴いますので、オフィスに通う必要がなく、別地域や海外を拠点にしても働けるというケースで使います。
- Remote work is a popular option for IT professionals.
- リモートワークはITプロフェッショナルに人気のオプションです。
Mobile work
さて、気軽に移動をしながら仕事をするタイプの 「テレワーク」 もありますよね。こういう 「テレワーク」 は、英語で “Mobile work” と言う人もいます。日本でも、外回りをする営業職の方を中心に 「モバイルワーク」 や 「モバイルワーカー」 などの言葉が使われていますね。
ただし、もともと “Mobile work” とは、本来は社内でしかアクセスできなかった情報やシステムを 「社外でもモバイル端末から使えるようにすること」 が目的であり、英語では、ソフトウェア、システム、テクノロジーなどについて話すときに使うことが一般的です。
- Internet and IT made mobile work possible.
- インターネットとITがモバイルワークを可能にした。
Nomad work
ある意味、究極の 「テレワーク」 の形と言えるのが 「ノマドワーク」 です。英語でも “Nomad work” と言い、世界中を旅行しながら 「好きな場所で働く」 というライフスタイルを実現する人たちが世界で増えています。
そして、日本でお馴染みの 「ノマドワーカー」 も英語で “Nomad worker” と言います。
- All employees are nomad workers in our company.
- 当社では全社員がノマドワーカーです。
リモートワーク、モバイルワーク、ノマドワーク、と 「様々なテレワーク」 がありますが、英語でも同じように様々な言い方がありますので、一番しっくり来る英語表現を選ぶと良いでしょう。どの表現を使うのが良いかわからない場合には、WFA (Work From Anywhere) と言っておけば間違いありません。
英語辞書での 「テレワーク」 の意味
ここで、ケンブリッジ英英辞典に書かれている、現時点での 「テレワーク」 の意味も見ておきましょう。
telework [verb]
to work at home, while communicating with your office by phone or email, or using the internet
上で解説をしたように、英語の “telework” は動詞になります。名詞として使いたい場合は “teleworking” とします。こちらも、ケンブリッジ英英辞典に掲載されている意味を英語で紹介しておきます。
teleworking [noun]
the activity of working at home, while communicating with your office by phone or email, or using the internet
ただし、言葉は日々進化するものですので、今後、世界中の人々がどのような英語を使っていくかによって、意味が変わることもあると思います。
「テレワーク」 の英語表現まとめ
日本語でも 「テレワーク」 だけでなく、「リモートワーク」 や 「ノマドワーク」 の新しい言葉がどんどん広まっていますよね。海外でも 「在宅勤務」 をする人が急増した結果、“WFH” という言葉は一気に普及しました。
今後は 「テレワークの普及」 によって世界中の人々のライフスタイルが変わるでしょうし、今回紹介してきた “WFA (Work from anywhere)” や “Nomad work”、さらに新しい言葉なども使われるようになって、それら全ての総称として “Teleworking” という英語表現が使われるのではないかと筆者は考えています。
ただ当面の間は、「在宅勤務」 の英語は “WFH”、「テレワーク」 の英語は “WFA” を使うのが良いでしょう。
基本的に日本で使われる 「カタカナ英語」 と 「実際に使われる英語」 は意味がズレていく傾向がありますので、毎日30分~1時間くらいは英語でインプットし、英語で考え、英語でアウトプットしましょうね!