今回は曲の歌詞やキャッチフレーズによく使われる「Now or never」の意味をお伝えしていきます。歌詞の和訳などを見て何となく意味を知っている方も、英会話で実際に「Now or never!」と言うのは使い方として合っているのか気になりますよね。でも、せっかくなら会話の中で使えるようになりたいものです。
そこで、今回の記事では「Now or never」の意味と使い方のポイントを解説し、実際にネイティブの会話でどのようにフレーズが使われるのか、例文も用いながら解説していきます。
1. Now or never の意味
まずは「Now or never」の意味を確認しましょう。日本語では「今しかない」や「今が唯一のチャンス」と翻訳されます。なぜこのように訳されるのでしょうか? フレーズの単語1つ1つを分解し、コアイメージを理解してみましょう。
now = 今
or = …か… , さもないと
never = 一度も…しない , 決して…ない
今回のポイントは「or」の意味と使い方です。
多くの方は「or」と聞くと「A または B」の使い方を思い浮かべると思いますが、今回の「Now or never」では「or = さもないと」のニュアンスになります。この場合の「or」の使い方を見てみましょう。
- Listen to me or you’ll regret it someday.
- 私の言うことを聞かないと、いつか後悔するからね。
- Come on let’s go, or it’ll be too late!
- はやく行かないと、間に合わないよ!
上のように「or」を解釈すると「Now or never = 今, さもないと(それは)決して…ない」となります。これで「今しかない」や「今が唯一のチャンス」という訳し方のイメージが湧いてきましたか?
2. Now or never の文法について
ネイティブの人たちが「Now or never」のフレーズを使うとき、私たちにとっては少し気づきにくい言葉が省略されています。つまり、これは文法として不完全なフレーズなのです。
私たちも母語の日本語を話すとき、全ての文法表現を正しく守って話しているわけではありません。わざわざ言葉にしなくても伝わることは無意識で省略し、必要な言葉のみで会話しています。英語でも同じことです。
- We should do it now, or we’ll never do it.
- 今やるべきだ、さもないと一生やらないだろう。
- → Let’s do it, (it’s) now or never.
- I should do it now or I’ll never get a chance to ask him out!
- 今だ、じゃないと彼をデートに誘うチャンスは二度と来ない!
- → It’s now or never!
お気づきのように「now or never」は様々なシチュエーションで使い、その「now」と「or」と「never」だけが残った表現です。こんなに多くの単語が隠れていたことに驚いた方もいらっしゃるかもしれません。
ただし、全文を訳すと「Now or never!」が「今しかない!」と訳されることも納得できますね。
文法でもう1つ気をつけたいことは、会話でも「主語」と「動詞」は必要最低限の形で入っていることです。重要な単語だけで言いたいことを表現できるフレーズですが、文として正しく使えているかどうかはチェックするようにしましょう。また「now or never to … = ~するなら今しかない」もよく使われます。
- I feel it’s now or never to have a third child.
- 3人目の子供をつくるなら今しかないと思う。
3. Now or never の使い方と和訳
最後に「Now or never」の使い方と和訳をいくつかの会話ダイアログで確認しましょう。
- A: I want to ask her out tomorrow, but I don’t have the guts to do it.
- 明日彼女をデートに誘いたいんだけど、勇気がなくて。
- B: Can you call her now?
- 今、彼女に電話できる?
- A: What? I’m too shy.
- え? そんなの恥ずかしいよ。
- B: Do it now or never!
- 今しかないよ!
- A: I was scouted by a model agency.
- モデル事務所にスカウトされたよ。
- B: Really? That’s great! You’ve always wanted to become a model!
- 本当に? 凄いじゃん! ずっとモデルになりたかったんでしょ!
- A: Yes, but I’m not really confident. I’m not even sure to accept it.
- うん、でもあんまり自信ないし。話を受けるかどうかも分からない。
- B: Why not? It’s now or never!
- どうして? 今しかないよ!
このように「このタイミングは二度と来ない」というときや「千載一遇のチャンス」というときに使います。また、次のように「過去形」の文で使うこともできます。
- A: Why did you start your business when you were in college?
- なぜあなたは大学生時代にビジネスをスタートしたのですか?
- B: Because I thought it was now or never.
- 私は今しかないと思ったからです。
応用として「今しかないタイミング」のように「名詞」として使うパターンも見ておきましょう。
- This is the now or never moment for Brexit.
- ブレグジットを実施するなら今この瞬間しかない。
- Probably this is the now or never moment when we look back in 10 years.
- これは10年後に振り返ったとき「あのときしかなかった」という瞬間になるかもしれない。
名曲 It’s now or never を聞く
エルヴィス・プレスリーの「It’s Now Or Never」という名曲があります。1960年7月5日にリリースされたとても古い曲ですが、皆さんもどこかで耳にしたことがあるのではないでしょうか?
この曲は「AZLyrics」という海外のウェブサイトで英語の歌詞を見ながら聞くことができます。今回の記事で習ったフレーズをしっかりと覚えたい方は、ぜひこちらの名曲を聞いてみてください。
Now or never まとめ
今回は「now or never」の意味と使い方のポイントについて解説しました。
このフレーズの意味を理解するためのポイントは、まず「or = さもないと」の使い方にありました。省略をしない完全な文(例:We should do it now, or we’ll never do it.)はもちろん、このタイプの「or」を使った英文(例:Listen to me or you’ll regret it someday.)には十分に慣れておきましょう。
また「Now or never = 今しかない」のフレーズをそのまま使う場合でも、きちんと「主語」と「動詞」を入れた文(It’s now or never! / You get it now or never! etc.)をつくるよう心がけましょう。とてもポジティブな言葉でもある「Now or never」を使いこなして、ぜひ英語友達を増やしてくださいね!