「野菜が苦手」「人前で話すのが苦手」「タバコの煙が苦手」など、様々なシチュエーションで使う「苦手」という言葉、英語ではどう言うのでしょうか? 実は、英語では「苦手」の表現方法はたくさんあります。
そこで、今回は「苦手」の英語表現をシチュエーションや意味合いごとに解説していきます。14通りの表現と英語例文を見て、言いたい「~が苦手です」や「苦手なものは~」にぴったりのフレーズを見つけましょう!
「苦手」=得意じゃないの英語
まずは「得意じゃないさま」を表す「苦手」の英語表現から見ていきましょう。良くある内容は「数学は嫌いじゃないけど苦手」や「人前で話すのが苦手」など、スキル不足や自信の無さからくる苦手意識です。
1. not good at/with
“be good at”(〜が得意である)のフレーズは英語の文法書などで見たことがあるかもしれません。これを否定文にすれば「〜が得意ではない=苦手」の意味になります。
- I am not good at math.
- 私は数学が苦手です。
- She is not good at drawing although she loves to.
- 彼女は絵を描くのは好きですが、あまり得意ではありません。
「〜の扱いが苦手」と言いたい時は、前置詞を “with” にします。
- I’m not very good with children.
- 私は子供の扱いがちょっと苦手です。
- He is not good with names.
- 彼は名前を覚える(扱う)ことが得意ではありません。
2. my ~ is/are not . . .
自分の能力やスキルが「決して素晴らしいものではない」と言うことで「苦手」を表す表現です。
- My drawing skills are not so high.
- 私は絵を描くのがあまり得意ではありません。
(直訳:私の絵を描くスキルはあまり高くありません)
“great” や “fantastic” は、いずれも「素晴らしい」という意味ですが、このように敢えて大げさな言葉を持ち出すことで「決して大得意ではない」という控えめのニュアンスを伝えることができます。
- My English is not fantastic.
- 私は英語があまり得意じゃありません。
(直訳:私の英語は素晴らしいものではありません) - My cooking is not great but I try.
- 料理はどちらかというと苦手だけど一生懸命やっています。
(直訳:私の料理は素晴らしいとは言えないけど一生懸命やっています)
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3. not the best . . .
「最高の」や「最上級の」を表す “best” を “not” で否定することで、遠回しに「苦手」を表現することもできます。「トップではない=得意ではない」というように、少し皮肉を含んだ表現ともいえます。
次の文を直訳すると、「私は世界一の歌手ではない」となります。しかし、だからといって「私は世界トップクラスの歌手だ」という意図を含むかと言うと必ずしもそうではありません。どちらかというと「トップには到底およばないほど不得意」という意図を表す場合が多いです。
- I’m not the best singer in the world.
- 私は歌があまり得意ではありません。
もちろん、文脈に合わせて自由に単語を入れ替えて言うこともできます。
- I am not the fastest runner in the class.
- 私は走るのがそこまで得意じゃありません。
- I don’t think I am the best person to ask for advice.
- 私は相談されることが少し苦手です。
4. I can’t . . .
何かが「できない」とダイレクトに伝えるのも「苦手」を伝える表現の一つです。実際に可能か不可能かよりも、苦手意識からくる「自信のなさ」や「能力やスキル不足の不安」の意味合いが強いです。
- I can’t dance.
- 踊るのは苦手です。
(直訳:私は踊ることができません) - I can’t speak English fluently.
- 英語はあまり得意ではありません。
(直訳:英語を流暢に話すことはできません)
5. difficult/hard
ものごとが自分にとって難しい(difficult/hard)と感じることから、苦手意識が生まれることもあります。「〜することは(私にとって)難しい・困難だ」を英語にして「苦手」を表してみましょう。
- It is difficult for me to always keep the room clean.
- 部屋をキレイに保つことが苦手です。
- It is hard for him to say “No” to people.
- 彼は人に “No” と言うのが苦手です。
“have a hard time + 動名詞” は「〜するのに苦戦する・〜するのが困難だ」という意味のフレーズです。こちらも「苦手」を英語で表現するのに覚えておくと便利です。
- I always have hard time dealing with numbers.
- 私は数字を扱うのがあまり得意ではありません。
6. a weak point is . . .
「得意ではなくて苦手」ということは「弱点」ということでもあります。これを英語で表現すると、そのまま ”a weak point” となります。名詞のため「苦手なもの」や「苦手なこと」と言いたいときにはぴったりで、複数の苦手なことがある場合には “weak points” として使いましょう。
- Japanese English learners’ weak points are pronunciation and grammar.
- 日本人の英語学習者の苦手なこと(弱点)は発音と文法です。
- His only weak point is handling pressure.
- 彼が唯一苦手とするのはプレッシャーに対処することです。
7. 「下手」 を強調する英語表現
上で紹介してきた英語表現はあくまでも「得意ではない=苦手」のニュアンスを伝える表現で、「下手」や「不得意」を強調したい場合は、ダイレクトな表現が使われることが一般的です。
日本語の「苦手」は意味の幅が広いので便利に色々使えますが、実際には「不得意」や「下手」ということを伝えたいケースは多々あります。そんな時には次の表現を参考にしてみてください。
★ 「苦手」 より 「下手」 を強調したい時
- I am poor at spelling.
「私は単語の綴りが苦手(不得意)です」 - I am no good at memorizing.
「私は暗記が苦手(まるっきりダメ)です」 - I am bad at organizing files.
「私は書類の整理がとても苦手です」 - My Spanish is poor.
「私のスペイン語はひどいです」 - I am terrible at names.
「私は名前を覚えるのが本当に苦手です」 - I suck at driving.
「私は運転が苦手(とても下手)です」
(※suckはスラングなので使う時は注意)
「苦手」=好きじゃないの英語
今度は「好きじゃないことからくる苦手意識」を英語でどう表現するか見ていきましょう。いやな相手や扱いにくいもの(味やにおい、趣味や話題のジャンルなど)に対する「苦手」はこんな風に表現できます。
8. I don’t really like . . .
“not really” には「そこまで〜ない」という意味があります。ダイレクトに「嫌い」と言うのではなく、「そこまで好きじゃない」と伝えることで「苦手」のニュアンスを含めることができます。
- I don’t really like celeries.
- セロリはあんまり好きではありません(=ちょっと苦手です)。
- I don’t like talkative people.
- おしゃべりな人は得意ではありません(苦手です)。
9. not a (big) fan of . . .
“a big fan” は、特定の人物やものごとを熱狂的に愛好している、いわゆる「大ファン」のことです。これを否定して「大のファンというほど(好き)ではない」と遠回しに「苦手」なことを表します。
- I’m not a big fan of seafood.
- 海産物が苦手です。
(直訳:海産物は私の大好物ではありません) - My sisters aren’t big fans of horror movies.
- 私の妹たちはホラー映画が苦手です。
(直訳:私の妹たちはホラー映画の大ファンではありません)
10. not my thing/interest/passion
“my thing” は「私のもの」と訳せますが、この場合は「私の好み」や「私の得意分野」の意味になります。なお、こちらは前述の「得意じゃない苦手」にも共通して使える表現です。
- Heavy metal is not my thing.
- ヘビメタの音楽はちょっと苦手です。
(直訳:ヘビメタの音楽は私の好みではありません) - Encouraging people isn’t my thing.
- 人を勇気づけることはあまり得意ではありません。
“my thing” は “my passion”(私の情熱)や “my interst”(私の興味)と言い換えることもできます。
- Keeping pets is not my passion.
- ペットを飼うのはあまり好きじゃありません。
(直訳:ペットを飼うことは私の情熱ではありません) - It’s not my interest to dictate orders to others.
- 他人に命令することはちょっと苦手です。
(直訳:他人に命令をすることは私の興味ではありません)
11. I don’t get along with . . .
人間関係における「苦手」は、“get along with ~”(〜と仲良くする・わかり合う)の否定形を使って表現することができます。またこの表現は、自分自身が相手を「苦手である」とそこまで強調しなくて良いこともポイントの1つです。人間関係の会話においては、無難で遠回しな表現が好ましい場面もありますよね。
- I don’t get along with my new colleague.
- 新しい同僚が苦手です。
(直訳:新しい同僚とうまくいっていません) - I don’t get along with my in-laws.
- 義理の親戚があまり得意ではありません。
なお「好きじゃない」という意識は「得意・不得意」にも関係してくるので、前述の「得意じゃない苦手」の意味になることもあります。
12. be scared of/be afraid of
人物やものごとに対して抱く「いやだな」とか「好きじゃないな」または「得意じゃないな」という感情は、「恐怖感」からくることもあります。
- I am scared of birds.
- 鳥が苦手です。
- He is afraid of darkness.
- 彼は暗いところが苦手です。
※上記の例文はいずれも「好きじゃない苦手」と「得意じゃない苦手」の両方の意味で使うことができます。
13. be allergic to . . .
実際にアレルギーを持っていなくても、生理的または心理的に拒否反応を起こすことがらに “be allergic to”(〜に対してアレルギーがある)ということもあります。この表現も、「好きじゃない苦手」に加えて「得意じゃない苦手」の意味でも使うことができます。
- I am allergic to grammar.
- 文法には拒否反応が出る(くらい苦手です)。
- I have a math allergy.
- 数学が苦手です。
アレルギーという言葉の特性から、他の表現に比べて「苦手の度合い」が強めに表現されることに注意です。
14. 「嫌い」 を強調する英語表現
日本語でいう「好きじゃない苦手」は「嫌い」とも混同されがちです。もし嫌悪感や憎悪を強調したい場合は “hate”(〜を嫌う)を使ってみましょう。ただし、“hate” はダイレクトな表現で意味も強烈なため、実際に使う時は注意が必要です。できれば、間接的に表現できる方法がないか探しましょう。
★ 「苦手」 より 「嫌い」 を強調したい時
- I hate the smell of cigarette smoke.
「タバコの煙の臭いが凄く苦手(大嫌い)です」 - I hate people who make excuse after excuse.
「言い訳ばかりする人は苦手(大嫌い)です」 - I hate Mondays so much.
「月曜日が苦手(大嫌い)です」 - I don’t like oysters at all.
「牡蠣はまったく好きじゃありません」 - I don’t care about baseball at all.
「野球にはてんで興味がありません」
「苦手なもの」 を英語で問うフレーズ
最後に「苦手」について誰かに質問をする時の英語表現をいくつかご紹介します。苦手な分野や食べ物などを聞く時にとても便利なので、是非活用してみてください。
★ 「苦手なもの」 を尋ねる英語フレーズ
- What sport are you not good at?
「苦手なスポーツは何ですか?」 - Is there any food that you don’t like?
「苦手な食べ物はありますか?」 - What kind of people do you not get along with?
「どんなタイプの人間が苦手ですか?」 - Can you eat raw fish?
「生の魚は食べられますか?」 - Are you a fan of mountain climbing or rather not?
「山登りは大好きですか、それともあんまりですか?」
「苦手」 の英語表現まとめ
今回は、日本語で言う「苦手」の英語表現をシチュエーション別に紹介しました。
英語で 「苦手を」 表すには “I’m not good at …” や “I don’t get along with …” といった遠回しなフレーズを覚えると同時に、ダイレクトな “I’m very poor at …” や “I hate…” などの表現も覚え、シチュエーションに応じてパラフレーズを使い分けられるようにしましょう。
自分の苦手なものを英語ですぐ言えるように、例文を置き換えて練習してみることもおすすめします。以上、今回の記事も皆さんの英語学習の参考になってくれれば幸いです。