日本では 「マンツーマン英会話」 「マンツーマンレッスン」 など『マンツーマン』の単語が英語教育の現場でも使われていますが、実は 「マンツーマン」 は和製英語! 英語で “Man-to-man” と言うと文字通り 「男同士の」 「腹を割って包み隠さず」 といった意味になるから驚きですよね。
そこで今回は、日本語の 「マンツーマン」 を英語できちんと正しく表現する方法を解説します。
「マンツーマン」 を英語で言うと?
日本語の 「マンツーマン」 とは 「1対1」 という意味です。この 「マンツーマン」 を英語で言うには “1-on-1” か “One-on-one” を使うようにしましょう。厳密には、単語と単語の間にハイフン (-) も入れてください。
- 1-on-1 (or One-on-one)
- 1対1 (の/で) = マンツーマン
ただし、「マンツーマン」 という意味で英語を話すとき、話し手の視点によっては “1-on-1” ではなく “1 to 1” あるいは “One to one” と言いたくなるケースもあります。少しややこしいので、下で詳しく解説します。
- 1 to 1 (or One to one)
- 1人1人に合わせた(て) = マンツーマン(の/で)
“1-on-1” と “1 to 1” の意味の違い
“1-on-1” のマンツーマンの意味
“1-on-1” もしくは “One-on-one” は、2人が 「1対1で対峙すること」 を表します。海外では大統領選挙の前に候補者2名がテレビ討論会を行いますが、これも “1-on-1” です。スポーツや格闘で2人が1対1になる場合にも “1-on-1” を使いますね。もちろん、1対1の 「ミーティング」 や 「面接」 なども “1-on-1” と言います。
- Biden and Suga held one-on-one talks today.
- 本日バイデン大統領と菅首相は1対1の会談を行いました。
- Midfielders need to learn one-on-one defense.
- MFはマンツーマンディフェンスを学ぶ必要があります。
- Every week I have a one-on-one meeting with my manager.
- 毎週マネージャーとマンツーマンのミーティングをしています。
“1 to 1” のマンツーマンの意味
一方 “1 to 1” もしくは “One to one” (ハイフンなしでもOK) と言うと、「一方通行の流れ」 をイメージしたり 「1つ (人/モノ) に対して1つ (人/モノ) が割り当たること」 をイメージしたりします。こういったイメージを意訳すると 「1人1人に合わせた(て) = マンツーマン(の/で) 」 というニュアンスになります。
例えば、英会話講師が 「マンツーマンで様々な人に英語を教えています」 と言うときは “1 to 1” が使えます。「英語を教えている」 のは講師側ですし、動詞が “teach” となれば 「一方通行の流れ」 をイメージできますね。また、英会話スクールの目線からは 「1人1人の生徒に講師1人を割り当てる」 というニュアンスと、「1人1人の目的やレベルに合わせた」 というニュアンスでも “1 to 1” が使えます。
- Teaching English one to one is a big market in many countries.
- 英語をマンツーマンで教えることは、多くの国で大きな市場となっています。
- Our personalized, one-to-one approach provides a life-changing education experience.
- 1人1人に合わせたマンツーマンのアプローチで、人生を変える教育体験を提供します。
このように英語の “1-on-1” と “1 to 1” はケースバイケースで使われていますが、日本語の 「マンツーマン」 を英語に翻訳するときは、細かなニュアンスを気にしない限り “1-on-1” を使って大丈夫でしょう。上の例文を “1-on-1” に置き換えてしまっても違和感なく理解できるからです。
「マンツーマン英会話レッスン」 の英語
ここで 「マンツーマン英会話レッスン」 を英語でどう言うか、もう少しだけ詳しく見ておきましょう。
というのも、日本語の 「マンツーマン」 という言葉は 「1対1の」 や 「1人1人に合わせた」 という意味に加えて、「個人 (プライベート) での」 という意味で使われることもあるからです。
以下では、3つのニュアンスに分けた 「マンツーマン」 の英語表現を紹介します。
“1対1” の 「マンツーマン」 の英語
この意味の 「マンツーマン」 を英語にする場合は、迷わず “1-on-1” を使いましょう。
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“1人1人に合わせた” 「マンツーマン」 の英語
次に 「1人1人に合わせた」 という意味のニュアンスを含めた 「マンツーマン」 を英語にしてみましょう。すでに例文で出てきた “1 to 1 aproach” や “personalized” に加えて “individualized” という単語もあります。
- We create an individualized, one to one lesson plan for every student.
- 生徒1人1人に合わせた、マンツーマンのレッスンプランを作成します。
“個人での” 「マンツーマン」 の英語
最後に 「個人での」 というニュアンスの 「マンツーマン」 を英語にしたいときは、“private” や “individual” の単語を “1-on-1” と組み合わせると良いでしょう。
- A one-on-one private lesson is beneficial for many reasons.
- マンツーマンのプライベートレッスンには多くの利点があります。
なお、英語の家庭教師のように専属とか長期的の場合には “personal” の単語も使えます。ただ、この場合はもはや “1-on-1” とわざわざ言う必要は完全になくなります。
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和製英語 「マンツーマン」 の英語まとめ
今回は 「マンツーマン英会話レッスン」 の『マンツーマン』が和製英語であり、英語では “1-on-1” と言うか、「個人での」 という意味を強調したいなら “private” や “individual” を使いましょうといった話をしました。
また、話し手の視点によっては “1-on-1” ではなく “1 to 1” ということもあるので、英語で 「マンツーマン」 を正しく表現するには、こういったニュアンスの違いにも少し気を配ってみましょう。
日本でも 「上司と部下の間での定期的な個人面談」 のことを 「1 on 1 ミーティング」 や 「ワンオンワン」 などと言っている企業はあるようです。日本に英語を話せる人がもっと増えれば、今後は 「マンツーマン」 ではなく “1-on-1” が一般的になるかもしれませんね。それでは!