皆さん、ネクステージ(Next Stage 英文法・語法問題 ― 入試英語頻出ポイント 218 の征服)という英語の参考書をご存知ですか? 先日、電車で高校生がネクステージを開いて英語を勉強しているのを見て、自分も同じように英語を勉強していた頃のことを思い出してしまいました。
私も個人的に思い入れがあるこの「ネクステージ」という本、実は 1999 年の発売以来、全国の高校生たちの英語力向上に貢献してきたロングセラー本だったのです! ただ、実際は問題集のような参考書です。今回はそんな「ネクステージ」のより効果的な使い方と「洋書を取り入れた英語勉強法」についてお伝えします。
ネクステージは英語習得への登龍門
ネクステージは文法、語法、イディオム、会話表現、単語・語彙、アクセント・発音の6つの分野に分かれており、大学入試のための英文法と語彙を勉強できる参考書です。ネクステージを英語の教科書として採用している高校も多いため、ご存知の方も多いでしょう。
- 著者:瓜生 豊, 篠田 重晃
- 出版社:桐原書店
- 出版日:2014/11(4th edition)
長年、教科書として採用されるということは、それだけネクステージの評判がいいということでもあります。私も高校時代ネクステージで英語を勉強し、大変お世話になりました。高校時代に使っていた教科書の大半は捨ててしまいましたが、ネクステージはまだ自宅の本棚に残っています。
私は「会話表現」と「単語・語彙」のチャプターを何度も繰り返し解いていました。間違えた問題番号に印をつけていたのですが、同じ問題を間違えすぎて最後は番号が見えなくなりました (笑) でも、ネクステージで英語を勉強していて私が感動したことは、実際に習ったイディオムが映画で使われていたことです。
- “at large”
- 「逃亡中で、まだ捕まっていない」
高校時代はなぜ「大きい」という意味の large がこのような意味になるのか理解できず、こちらのイディオムを覚えるまで本当に苦労しました。でも、当時公開されていた映画「スパイダーマン3」で、実際にこちらのイディオムが出てきて、(ハリウッド映画にも出てくるほど、よく使われるイディオムなんだ!)と感動したことを覚えています。それは、“At large” という「教科書の中にある、覚えなきゃいけないイディオム」が「実際に使われている英会話表現」に変わった瞬間でした。
本当に使える英語を勉強するには?
高校英語の現場では、単語は Target、文法の教科書は Forest、問題集はネクステージ、というのが鉄板だと言われています。その中でも、ネクステージは実践力が養えるため、英会話のスキルアップを目指している方にはオススメできます。ですが、本当の Next Stage へ行くには、やはり工夫と努力が欠かせません。
単語帳や参考書で「一生懸命」英語を勉強しても、会話での使い方を学ぶことはなかなかできないからです。でも、英語をいざ話すときが来て(単語の使い方に自信がないなぁ)(間違ってしまったらどうしよう…)と考えてしまっていては、せっかく勉強したことを活かすことができず、もったいないですよね!
英語の勉強で1番大事なことは「実際に使ってみること」なのです。英「会話」とも言うように、口に出してみないと始まりません。新しい単語やフレーズを習ったら、使い方も発音もインターネットで調べて練習してみましょう。また、スマートフォンを取り出して 類義語を英語のまま調べる勉強法 などもオススメです。
でも、単語の勉強をする度に例文を調べるのは骨が折れますよね。また、英語の勉強を始めたばかりの頃は、「英語を話している場面を想像して練習する」なんてこと自体、難しいかも知れません。でも実はそんな方におすすめなのが「英語学習者向けの洋書を使って読書」することなのです。
高校生が読みやすい良書を選ぶ
(英語の本を読むなんてとても無理…)と思う方もいらっしゃるでしょう。でも、英語は世界共通語であると同時に、外国語として勉強している方の人数が最も多い言語でもあります。そのため、英語学習者向けの本がたくさんあります。高校生の単語力があれば、十分にトライできるはずですよ!
その中でも、今回おすすめするのは Graded Readers です。Graded Readers とは、読者が習得している英語レベルに合わせて「難易度」が変えてある書物のジャンルのことです。ページ数も一般の書物に比べて少ないため、そもそも読書が苦手という方でもとっつきやすく楽しめてしまうのが魅力です。
Graded Readers の出版先として有名なのは、
- Oxford Bookworms
- Penguin Books
- Cambridge English Readers
の3社です。他にもたくさんの会社がありますが、出版している本の数、それから日本での入手難易度などを考慮しますと、これら大手3社の中から選ぶのがいいでしょう。
今回は Oxford Bookworms が出版している Graded Readers からこちらの2冊をご紹介いたします。
1.The Phantom of the Opera
難易度:Stage 1(TOEIC 280 ~ 450 点 レベル)
- 著者:Jennifer Bassett
- 出版社:Oxford University Press
- 出版日:2007/3/29
ミュージカル化、映画化もされた有名な小説「オペラ座の怪人」を読みやすくしたものですね。
既に知っているストーリーなら、ところどころ分からないところがあっても読み進められるため、英語の本を初めて読む方は、このようなタイプの洋書からスタートしてみてはいかがでしょう? なお、どの難易度から読み始めればいいか分からない方は、現在の自分のレベルをチェック してみてください。
2.Leonardo da Vinci
難易度:Stage 2(TOEIC 310 ~ 450 点 レベル)
こちらは、イタリアの偉大な芸術家、レオナルド・ダ・ヴィンチの一生をつづった伝記です。
Graded Readers にはオリジナルの小説もあれば、“The Phantom of the Opera” のように実際にある小説を簡単にしたものや、“Leonardo da Vinci” のように歴史上の人物の伝記もあります。
Graded Readers は「辞書を使わずに読める」のがウリなので、辞書は使わずに自分自身の現在の英語力だけを頼りに読むようにしてみましょう。本の中に載っているのは、ただの例文ではありません。読書をすれば、単語やイディオムを文章の中でどう使うかだけでなく、前後の繋がりも合わせて覚えられます。前後の繋がりが見えてくれば、その単語を使うための適切なシチュエーションが見分けられるようになり、多彩な表現力が身につきます。
ネクステージ(Next Stage)と洋書の読書を組み合わせた英語勉強法を取り入れると、英単語やイディオムをただ暗記するだけでなく、実際に「英語の会話を想像する癖」がつくため、新しく習ったことを吸収する力が伸びるはずです。ちょっとした空き時間に少しずつ読み進めるだけでも良いので、ぜひ挑戦してみましょう。
今回のまとめ
英語力や英会話スキルのレベルアップは「一朝一夕」では叶いません。しかし、コツは必ずあります。そして私が信じている「英語の勉強で1番大事なこと」は、何といっても実践力を磨くこと! ネクステージなどの実際にコミュニケーションで使える英語表現が紹介されている参考書で勉強してみたり、洋書の活きた英語を辞書なしで読んでみたり…千里の道も一歩から。あなたの英会話マスターへの道はここから始まります!