英語で頼み事やお願いをしたいときは、率直かつ丁寧にお願いをする必要があります。また、お願いの仕方はシーンによりさまざま!ネイティブたちは、フレーズを使い分けます。日本人は Please を使いがちですが、子どもっぽく聞こえてしまわないよう、きちんとした英語表現を身につけておきましょう。
またこの記事では、お願いの「引き受け方」と「断り方」の英語表現についてもご紹介します。英語で誰かにお願いを頼まれたときの「返事の返し方」の参考としてもご利用ください。
ネイティブが使う 「お願い」 の英語表現
ネイティブが使う英語表現といっても、そんなに難しく考えすぎる必要はありません。基本的には、お願いを引き受けて貰えるかどうかを「尋ねる」ことがポイントです。
このときに使うのは “Can”, “Could”, “Would” の3つが主になります。
- Can you do … for me?
- Could you do … for me?
- Would you do … for me?
以下でさまざまな応用フレーズをご紹介しますが、基本は “Can”, “Could”, “Would” の3つを使った疑問文を作ることだと考えてください。
お願いがあるのですが (favor)
まずは favor を使ってお願いをする定番の表現です。上から下へ行くほどフォーマルになります。
- Can you do me a favor?
- Could you do me a favor?
- Would you do me a favor?
これらのフレーズは、最もオーソドックスな「ちょっとお願いがあるんだけど良い?」からよりフォーマルな「少しお願いがあるのですが良いですか?」まで広いシーンで使えます。名前で呼び掛けて、率直に頼み事があることを伝えましょう。なお、イギリス英語では favor を favour のスペルで使います。
- Hi Vanessa, can you do me a favor?
- ねぇバネッサ、ちょっとお願いがあるんだけど良い?
もし可能ならお願い (possibly)
今度は possibly を使って「お願いして大丈夫?」「~して貰えるかな?」と可能性を尋ね、丁寧にお願いをするフレーズです。possibly がなくてもお願いする文としては成立していますが、possibly を入れることでより丁寧な表現になります。
- Can you possibly … ?
- Could you possibly … ?
- Would you possibly … ?
疑問文の続きの「…」の部分には、動詞が入ります。まずは時間があるかどうかを先に尋ねたり、単刀直入にお願いしたいことを尋ねたり、さまざまなバリエーションが存在します。
- Can you possibly tell me where I can find it?
- どこでそれを見つけられるか教えて貰えませんか?
- Could you possibly spare some time for me?
- 少しだけお時間をいただくことはできますか?
- Would you possibly give me a ride to the station?
- 駅まで乗せていただくことはできますか?
お願い少し手を貸して (a hand)
何かを「手伝って欲しい」とお願いするとき、日本語でも「少し手を貸して」という表現があります。これは英語でもそのまま “a hand” が使えるので覚えておきましょう。動詞は “give” か “lend” を使うシーンが最も多いですが、間接的に “could use” や “need” を使って表現することもできます。
- Can you give/lend me a hand?
- Could you give/lend me a hand?
- Would you give/lend me a hand?
- I could use a hand.
- I need a hand.
この “hand” を使った表現は、たくさん物を運ぶときや、重い物を持ち上げたり動かしたりするときなど、具体的に「手」が欲しいときに使うことが多いです。もちろん、それ以外のシーンでも問題なく使えます。
- Can you give me a hand for a sec?
- 一瞬だけ手を貸して貰える?
- Could you come and lend me a hand?
- 少しこっちへ来て手を貸していただけますか?
- I could use a hand if you’re not busy.
- もし忙しくなければ手を貸して欲しいんだけど。
- Do you have time? I need a helping hand.
- 時間あるかい?ちょっと誰かの手が必要なんだ。
同意/許可をお願いします (may)
何かを手伝って欲しいというお願いではなく、何かをする前に同意や許可をお願いしたいというシーンもあるはずです。そんなときには “Can”, “Could”, “Would” ではなく “may” を使った疑問文で尋ねましょう。
- May I … ?
- May we … ?
疑問文の続きの「…」の部分には、動作の動詞が入ります。やりたいことを伝えるだけなので、簡単ですね。主語を一人称の “I” や “we” から二人称の “you” に変えると、“Would you allow me to … ?” や “Would you let us … ?” での言い換えも可能です。
- May I take this chair?
- この椅子を借りても良いですか?
- May we use these photos on our website?
- これらの写真を弊社ウェブサイトで使用してよろしいですか?
もし嫌でなければお願い (mind)
もし嫌でなければ、と相手が「お願いを頼まれること」を気にするかどうかは “mind” を使って尋ねます。
- Do you mind … ?
- Would you mind … ?
- If you don’t mind, could you … ?
“Would you mind” の “Would” の代わりに “Can” や “Could” を使うことはできません。なぜなら、これは相手の「意思」を確認する質問であって、相手の状態や能力的に「可能」かどうかを尋ねているわけではないからです。
- Do you mind getting me some coffee for me?
- 私のためにコーヒーを買ってきて貰える?
- Would you mind helping me figure out why this excel sheet doesn’t work?
- このエクセルシートが機能しない理由を解明するのを手伝っていただけませんか?
- If you don’t mind, could you help me carry these books?
- もしよければ、この本を運ぶのを手伝っていただけませんか?
もしよければ、もしよろしければ、の英語表現については、次の記事もぜひ参考にしてください。まだ他にも表現方法があるので、お願いをするときのバリエーションをさらに増やすことができます。
ついでにお願い (while, as well)
何かのついでにお願いと英語で言いたいときは “while” や “as well” を組み合わせて表現します。
- While … ?
- … as well?
文脈やお願いしたいことの内容によっては他にも表現方法がありますが、ほとんどの場合はこの2つで表現ができるはずです。お願いをする表現自体は、この上でご紹介したどのフレーズを使っても構いません。
- While you’re here, may I ask you something?
- ちょうどよかった、ついでにお願いがあるんだけど良い?
- Could you possibly fix this as well?
- これの修理もついでにお願いできたりしますか?
なお “while” は、文頭だけでなく文中に使うこともできます。詳しくは、次の記事が参考になります。
英語での 「お願い」 の引き受け方・断り方
さて、英語でのお願いの仕方が分かったところで、今度はその上手な「引き受け方」や「断り方」についてもご紹介しておきたいと思います。誰かに英語でお願いをされたときの参考にしてください。
喜んで引き受ける (glad, pleasure)
- Sure.
- I’d be glad to help you.
- It would be my pleasure.
職場での頼まれ事のときなど、無条件でお願いを引き受ける準備があるなら、これでOKです。
頼み事の内容を聞く (ask)
- How can I help you?
- What can I do for you?
- Let me see if I can help.
どんなお願いかを具体的に聞いてから答えたいときは、このように返答すると良いでしょう。
交換条件で引き受ける (but)
- OK, but can you give me a hand later?
- Would you buy me lunch?
- Do you mind if I ask you something as well?
手を貸しっぱなしになるのを避けるために、上手に交換条件を提示するのも良い方法です。個人的には、この方法を使ってお願いを引き受けるのが一番おすすめです。
丁寧に断る (afraid)
- I’m afraid I can’t, because …
- Sorry, but I’m not able to …
- Unfortunately …
お願いを断るときは心が痛みますが、きちんと丁寧に断って理由を述べれば大丈夫です。曖昧にするよりは、キッパリと断るようにしましょう。ただし、代わりに何かの助けになる情報を提案できるなら、できる限りのことを提案しましょう。そうすることで、信頼関係を傷付けずに済みます。
英語でお願いをするときの注意点
最初に述べましたが、英語で誰かに頼み事やお願いをしたいときは、率直かつ丁寧にお願いをする必要があります。ただ、自分ばかりがお願いをして相手の頼み事は聞かないといった言動を繰り返していると、その人はあなたから離れていってしまいます。
ですから、最低限のマナーを身につけておく必要があります。上手にお願いができれば「お互いの信頼度」もアップして、良い関係を保てるようになります。お願いを引き受けて貰えたあとには丁寧にお礼をするなど、当たり前の気配りも忘れないように注意しましょう。